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» 2019年12月24日 07時00分 公開

これからのAIの話をしよう(教育編):「日本の英語学習は非効率」 アイスランド人が日本向け英語学習システムを作ったワケ (1/3)

「TOEIC」に特化した英語学習システム「cooori」では、AIを活用した学習のパーソナライズを行っている。アイスランド出身のAI研究者は、なぜ日本人向けの語学学習システムを開発したのか。創業者のアルナ・イェンソンCTOに聞いた。

[周藤瞳美,ITmedia]

 さまざまな領域で進むAI活用の波が、教育業界にも押し寄せている。日本ではatama plusやCOMPASSなどのスタートアップがAIを活用し、ユーザーの学習状況に合わせて学習をパーソナライズするサービスを手掛け、注目を集めている。

 しかし教育業界には古くからの慣習なども残っており、本格的な普及には至っていないのが現状だ。

 こうした中、日本のビジネスパーソンになじみ深い「TOEIC」(国際コミュニケーション英語能力テスト)に目を付けたのが、AI搭載の英語学習システム「cooori」(コーリ)を提供するコーリジャパンだ。

 創業者のアルナ・イェンソンCTOは、日本語の学習に苦労した自身の経験を基に、語学学習にAIを活用しようと決断。日本でAIを研究するうちに、日本企業向けにTOEICの学習システムを開発することを決めたという。

 coooriではどのようにAIを活用しているのか。また、同社の取締役を務める豊田工業大学シカゴ校前学長の古井貞煕氏(東京工業大学名誉教授)に、日本のAI業界を取り巻く状況を聞いた。

コーリジャパン創業者のアルナ・イェンソンCTOと、同社の取締役を務める豊田工業大学シカゴ校前学長の古井貞煕氏

教育業界にもAIの波

 まずは、日本の教育業界におけるAIやデータ活用の流れを確認したい。

 経済産業省が6月に公開した「『未来の教室』とEdTech研究会-第2次提言」(PDF)では、「AIやデータの力を借りて、一人ひとりに適した多様な学習方法を見出し、従来の一律・一斉・一方向型の授業から、EdTechを用いた自学自習と学び合いへと学び方の重心を移すべき」と指摘されている。

 従来の教育では、画一的な教材を利用して1人の教師が多数の生徒を教える形が一般的だった。今は成績や学習の履歴、間違えた問題や回答に掛かった時間などのデータを活用することで、AIが生徒一人ひとりに最適化した学び方を提示できるようになってきている。

 しかし、学校教育を抜本的に変えていくには時間が掛かる。コーリジャパンはTOEICに取り組む日本企業に特化することで、ビジネスチャンスをつかもうとしているというわけだ。

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