IaaS、PaaS領域に目を向けると、グローバルでも国内でもAWSが圧倒的に優位なポジションにいることは間違いない。Microsoft Azureは高い成長率でこれを追いかけるが、AWSも成長を続けており、20年もAWS優位な状況はなかなか揺るがないだろう。
一方で、少し様相が異なるのがSaaS市場だ。クラウド型CRMを手掛ける米Salesforce.comが強さを見せている他、クラウドストレージの米Boxやチャットツールの米Slack Technologiesなども元気だ。各社は競合するのではなく積極的に連携し、ユーザーがアプリ内から他社ツールを利用できるようにしている。そのため、Boxはコンテンツ管理のプラットフォームとして、Slackはコミュニケーションのプラットフォームとしても認知されつつある。
そんな中、Salesforceとこれから競合しそうなのが、SaaS型ワークフローシステムなどを手掛ける米ServiceNowだ。ServiceNowは当初、さまざまアプリを開発・稼働できるPaaSとして開発された。その良さを広く伝えるためにSaaSを自社開発したところ、SaaSが先に評価されたのだ。
今ではServiceNowのPaaSの評価も上がってきており、多くのユーザーがさまざまなアプリを構築している。同社は欧米でかなり顧客を増やしており、今後は日本においてもSaaS、PaaSのベンダーとして認知度を急激に上げてきそうだ。
コンテナ、IaaS、PaaS、そしてSaaS――。20年は各領域で、国内外のベンダーがどのような戦略を打ち出し、ユーザー企業ではどのような活用法が広がるのか。市場で勝ち残るのはどの企業なのか。20年もクラウド市場の動向から目が離せない。
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