この秋に始まったハイレゾ音源のストリーミングサービス、「Amazon Music HD」と「mora qualitas」を日々利用する中で、CDやロッシー音源(可逆圧縮のロスレスとは違って圧縮によって音質が劣化する)では味わうことができない、アコースティック楽器が放つ全ての倍音をあますところなく収録したかのような、彩り豊かなリスニング体験に酔いしれている。それぞれのサービスについて、特徴を挙げて紹介しよう。
Amazon Music HDは、Amazon Music Unlimitedのアップグレード版という位置付けで、月額1780円(月額個人プランHD、税込)で利用可能。2階建ての料金体系となっており、ユーザーは、780円のMusic Unlimitedの会員として登録されると同時に、1000円のMusic HDがオプションとして追加課金される仕組み。
Music HDが不要になれば、HD契約だけをキャンセルすることで、ロッシー音源のMusic Unlimitedはそのまま利用可能。ただし、Prime Music(聴ける楽曲数が少ない)とは別ものなので、プライム会員であっても別途契約が必要だ。
ITmedia NEWSが8月に報じた通り、同サービスではロッシー音源に加え、16bit/44.1KHz(ロスレス)、24ビット/44.1KHz、48KHz、96KHz、192KHz(ハイレゾ)での配信を行っている。関係者からの事前の情報では、32ビット音源にも対応するとあったが、筆者の知る限りにおいて現時点で32ビット音源を確認できていない。音源のスペックは、楽曲やアルバムにより異なる。レーベルなど楽曲の提供元のポリシーやマスター音源の品質が反映されるようだ。
なぜか、同じアルバムの中に異なるスペックの音源が混在していることもある。アルバムのマスター音源が原因ということはまずないと思うので、Amazon側のシステム上で何らかの齟齬(そご)が発生しているのであろう。おそらく、順次解決していくものと思われる。
というのは、サービススタート当初、リー・リトナーの「GENTLE THOUGHTS」というアルバムにおいて、ロッシー音源と16ビット/44.1KHzが混在するという混沌(こんとん)とした状況に遭遇して、ハイレゾ配信にあるまじき所業! と驚いたものだが、いつのまにか直っていた。ただ、異なるアーティストやアルバムが混在するプレイリストを再生すると、スペックの混在は普通に発生するだけに、目くじらをたてる程の問題でもない。
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