例えば、初期設定時にガイドが出るものの、iPhone 11シリーズなどの「ホームに戻る操作」は、直感的とはいえず、電話などで操作説明をしようものなら「画面の下の横長い棒を上に引っ張って!」と、抽象的な説明になるでしょう。
iPhoneのコントロールセンターなどは、ほぼ全てがアイコン表示です。唯一の文字は「画面ミラーリング」なので初見では絶対に意味が分からないでしょう。
私は、iPhone OS 1の時代からiPhoneを使っており、毎年のアップデートで少しずつ機能が増えることにもに慣れてきました。
これは、連続ドラマを1話目から見ている人間と一緒です。出てくる登場人物の役割や関係性を把握しているから、説明があまりなくてもすぐに飲み込めます。
しかし、これから初めてiPhoneを使うシニアの方はドラマを13話目から突然見るようなものです。「このSiriは仲間なの? 敵なの? 信じた方がいいの? えっ、このスクリーンタイムって何・・・・・・」という具合に、情報量が多すぎる割に説明もないため、難しいと感じるのは当たり前です。ここではiPhoneで説明しましたが、Androidでも同じことがいえます。
一方で、生徒さんからフィーチャーフォン(いわゆるガラケー)の操作方法を聞かれても、すぐには答えられない――ということも増えてきました。私がフィーチャーフォンを8年近く使っていないため、操作方法を忘れているからです。
一般的には「スマホは難しいが、ガラケーは簡単」という印象があると思いますが、実際のところは「慣れているものが使いやすい」という部分が大きいでしょう。
そうした意味では、iPhoneとAndroidスマホの差よりも、「最初はどちらも難しいものだ」と知っておくことが大事になってきます。
その上で「最初はどのスマートフォンを買った方がいいのか?」と聞かれた際は、基本的には「近くに住んでいる家族と同じメーカーの機種がいいですよ」と答えています。
息子さんがiPhoneだったらお母さんもiPhone。娘さんがGalaxyだったらお父さんもGalaxyという具合です。同じ機種だと教えてもらうハードルが下がりますし、同じメーカー・OS同士の連携機能がスムーズに使え、充電器も共有できるなど、メリットが多々あるからです。
各キャリアから出ているシニア・ビギナー向けスマホは、Androidをベースに大幅にUIがカスタマイズされています。
Wi-Fi接続が設定アプリの深い階層に移動していたり、ホーム画面に並ぶアプリの移動が設定から選ぶようにカスタマイズされていたり、細かい部分で通常のスマホと大きな違いがあります。
シニア向けスマホを買ったとしても、息子さんや娘さんがその操作に慣れていないと、使い方を教えてもらえないのです。なので、家族で同じスマホを買うのが今の所ベターだと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR