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「すごいカメラ」と「ヘンなカメラ」が存在感を示した2019年荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/3 ページ)

» 2019年12月30日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

APS-Cセンサーのカメラが目立った年だった

 2018年は35mmフルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼が専用マウントとともに秋にどっと発表あるいは発売されて、ミラーレス一眼はフルサイズが中心になるのか、と思われがちだったが当然そんなことはなく、2019年はAPS-Cサイズセンサー機が多く登場した。

 ソニーに至っては「α6100/6400/6600」と3モデルも投入。キヤノンも2モデル、富士フイルムは3モデルを投入してる。

変わらないスタイルのα6000シリーズ。これはα6600。ここまで性能が上がるなら、操作系ももうちょっとハイエンド寄りにしても良い気はする

 好印象だったのはニコンの「Z 50」。ソニーはフルサイズセンサー搭載のα7/9系とAPS-Cサイズセンサー搭載のα6000系でデザインやテイストをがらっと変えているし、キヤノンはフルサイズセンサー搭載のEOS R系とAPS-Cサイズセンサー搭載のEOS M系でマウントからして違うのだが、ニコンはフルサイズセンサー機と同じZマウント、同じデザインコンセプトでAPS-CサイズセンサーのZ 50を展開。新しいシリーズだけに、シリーズの統一感があるってのはアピールできるかと思う。ボディ内手ブレ補正がないのは残念だけど(関連記事:できのいいミラーレス一眼入門機、ニコン「Z 50」 Zマウント採用で将来のステップアップも)。

Zシリーズのスタイルを受け継ぐ「Z 50」

 対してマイクロフォーサーズは地道に進化してきてて、パナソニックの「G99」もオリンパスの「E-M5 Mark III」も完成度が高くて良いのだけど、そろそろインパクトのある動きがどっかにほしいかな。オリンパスのE-M1 XやパナソニックのG9でハイエンド機は一段落したので、次は小型軽量で機動力のあるカメラが良いなあと期待しております。

パナソニックの「LUMIX G99」。G9の弟分的なミドルクラス機
縦位置グリップ搭載のハイエンド機「E-M1 X」。マイクロフォーサーズなのにデカい……というよりは、レンズも含めて考えるとマイクロフォーサーズだからこそこのサイズで済むといった方がいいか

動物AFを皮切りにより賢い被写体自動認識へ

 2019年は各社ともAF性能をアピールしてた気がする。確かに、かつてのミラーレス一眼は静止してるものを撮るときのAFは速くて正確だったけど、動体追従が苦手なものが多かったから。

 今はたいていの機種でかなり追従してくれるのでAF-Cの実用性が増した。

 特に感心したのはソニーの「リアルタイムトラッキングAF」。これはかなり優秀だった。

 もう一つの注目は動物対応AF。

ソニーの動物瞳対応AF。猫の目をしっかり捉えている

 ソニーの瞳AFの動物対応が注目され、新機種全てに搭載されたが(ただし、検出対象を人間にするか動物にするか指定しておく必要があり、動物対象にするとリアルタイムトラッキングAFを使えないという難点はあるが、早晩解消されますように)、もう一つ、注目したいのがパナソニックのS1シリーズで搭載された動物認識。

 顔が見えていようが見えてなかろうが、動物の身体を認識し、顔を判別できたらそっちを優先するというAFで、モニタを見ていると動物に四角い枠が表示される。

 瞳AFもいいけど、人や動物そのものを認識してくれるのも必要で、特に動物は撮りたいときにいつも瞳が見えてるとは限らないから。

 パナソニックは頑張って、LUMIXシリーズ全部にこのAFを入れるべきでしょう。

 機械学習を使った被写体の自動認識は今後大きなテーマになってくと思われるわけで、個人的にはどんどん被写体を自動認識してくれて、意図しない被写体を認識したら即座に「次候補」ボタンを押して「それじゃない!次!」ってできたら楽しいだろうなと昔から思ってるのだけど、そんなことありません?

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