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バーチャル試着ができる「AIミラー」、ファミリーイナダが発売 スマートテレビにもなる

» 2020年01月15日 20時30分 公開
[ITmedia]

 マッサージチェア大手のファミリーイナダは1月15日、バーチャル試着などが行える4K液晶テレビ「AI.Inada.Mirror」(以下、AIミラー)を発表した。3月上旬から独自の「リース販売方式」で販売する。価格は5年間のサポートと追加コンテンツ込みで月々3980円(税別)の60回払い。

「AI.Inada.Mirror」。写真のブラックの他、明るい配色のアイボリーがある

 中国の液晶パネルメーカー、BOEと協力して開発した。液晶パネルはテレビ用の55インチ(アスペクト比は16:9)で、上下のハンドルを使って画面を90度回転させると縦長の“姿見”スタイルに。IoTマッサージチェアのために構築した「INADA MEDICAL AIクラウド」につながり、「ファッション」や「運動」(ホームフィットネス)など10のコンテンツを利用できる。

バーチャル試着のイメージ

 バーチャル試着は、カメラで撮影したユーザーの顔をあらかじめモデルで撮影した試着映像に合成するというもの。事前に入力した身長などの体形データに基づいて映像(モデル)を選択し、首の幅など複数のポイントで位置合わせを行い、ズレを抑える。紹介する衣服はスタイリストが選んだもので、気に入ったらAIミラーの画面でそのブランドのECサイトから購入できる。

 ファミリーイナダの稲田二千武代表(会長兼社長)は、「ドレスなどの試着は大掛かりになりがちだが、自宅で気軽に着たときの様子が分かるのは大きなメリット。後ろ姿も簡単に見られるのもバーチャル試着ならではだ。動画ではバッグの持ち方などファッションに合わせた立ち居振る舞いも学べる」と話す。

 「運動」(ホームフィットネス)は、主にお年寄りやフィットネス初心者に向けた動画コンテンツ。お手本の動画を見ながらまねをすると、カメラが撮影してお手本の横に並べる。自分の動きをお手本と比較することで正しい運動の仕方が分かるという。また同社製の「ウェアラブルアクティブメジャー」(別売)を装着すれば、運動中の心拍数を計測して画面上部に表示し、関連したアドバイスも受けられる。

 他にも美容や健康などをテーマにしたインタラクティブコンテンツを用意。肌や体の不調を感じたとき、症状を選んでいくと可能性のある病名や対処についてアドバイスを表示する。それらの内容は、関西医科大学健康科学科教授の木村穣氏など、各分野の専門家が監修した。

症状から病名を推測し、アドバイスを表示する

 「ファミリーイナダは、マッサージチェア開発の延長線上で健康と美容を深掘りしてきた。発売後も毎月バージョンアップを行い、ヨガやメイクなどのコンテンツを追加していく」

 カメラとマイクを利用し、大きな音を検知したらユーザーの携帯電話に画像とアラートを送る「見守り機能」、遅延の少ない有線接続にこだわったスマートフォンの「画面ミラーリング」、さらにテレビとしての機能も備えた。

 実は専用スタンド部にピクセラ製のセットトップボックスを内蔵し、チューナーとして活用する。これにより新4K衛星放送を始め、地上/BS/CS110度デジタル放送が視聴できる。またUSB接続の外付けHDD(別売)を導入して録画も可能だ。NetflixやYouTubeも視聴できる。このため、AIミラーにはリモコンが2本付属する。

 同社は「テレビ事業を手掛けるつもりはない」としており、テレビ機能はあくまでも付加価値の一つと位置付けている。ただし、画面サイズと精細さは重視しており、稲田会長は「21年には8K版も出す」と意気込みを見せていた。

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