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» 2020年01月27日 07時00分 公開

後発のOracle Cloudは、どうすればAWSやAzureに対抗できるか 日本市場での挽回策を考える (1/2)

2019年5月にクラウドデータセンターを東京に開設し、Oracle Cloudの国内展開を本格化した日本オラクル。同年8月までに500社が東京リージョンの利用を開始したが、AWSやAzureからは市場シェアで大きく引き離されている。同社は今後、どうすればライバルベンダーに追い付けるのか。

[谷川耕一,ITmedia]

 2019年5月に待望のクラウドデータセンターを東京に開設し、Oracle Cloudの国内展開を本格化した日本オラクル。出だしは好調で、同年8月までに500社が東京リージョンの利用を始めた。しかし、先行するAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureからは市場シェアで大きく引き離されている。日本オラクルは今後、どうすればライバルベンダーに追い付けるのか。上層部への取材をもとに、そのヒントを探る。

データベースのラインアップに自信

photo 日本オラクル 執行役 最高経営責任者(CEO)のケネス・ヨハンセン氏

 日本オラクル 執行役 最高経営責任者(CEO)のケネス・ヨハンセン氏によると、同社は現在、日本社会で高齢化が進んでいることに着目。高齢化に伴う人手不足を解消し、企業のデジタル変革を支援するビジネスに注力しているという。

 具体的には“自律化”によって管理の手間を減らせる「Autonomous Database」「Autonomous Operating System」をはじめ、各種SaaSなど、ユーザーが素早く利用を始められるクラウドサービスを東京リージョンから提供している。

 ヨハンセン氏はその中でも、特にデータベース製品に自信を持っているとし、「Oracleには長年データベースを提供してきた実績がある。現在もデジタル変革には欠かせないデータ活用基盤に有用なサービスをそろえているため、競合優位性がある」と強調する。

 同社のラインアップをみると、クラウド型のAutonomous Databaseはもちろん、各種IaaS、PaaSもデータ活用基盤として活用できる。これらは、後発ならではの価格優位性とセキュリティの高さが売りだ。1社で多様な製品をそろえているため、「市場の中で極めてユニークな存在だ」とヨハンセン氏は自信を見せる。

“2025年の崖”をビジネスチャンスに

 また、日本オラクル 専務執行役員のピーター・フライシュマン氏は「『2025年の崖』を控える日本企業は、ブラックボックス型のレガシーシステムからオープンなシステムに移行する必要がある。そこにOracleのビジネスチャンスがある」と話す。

photo 日本オラクル 専務執行役員のピーター・フライシュマン氏

 2025年の崖は、経済産業省が提唱する概念。日本企業では25年ごろにITシステムの老朽化が限界に達するため、保守と維持に要するコストが増大し、成長に向けた投資にリソースを割けなくなるとして、同省は対策を急ぐよう呼び掛けている。

 日本オラクルはこれを商機と捉え、対策の一環でクラウド導入を急いでいる企業に「Oracle Fusion Apps」などのビジネスアプリケーション群やSaaSを訴求する考えだ。特にSaaSは、3カ月に1回という早いペースで新技術を実装し、機械学習なども積極的に導入しているため、「加速する市場変化のペースにも対応できる」とフライシュマン氏は説明する。

Oracle Cloudのメリットは消費者に伝わっているのか

 このようなOracle Cloudのサービスを、東京リージョン、さらには間もなく開設予定の大阪リージョンから提供できれば、先行するAWSやAzureの対抗馬として存在感を発揮できる可能性は高まる。しかし、Oracle Cloudの価値を、顧客企業に十分に理解してもらわないことには、なかなか第一の選択肢にはなれない。

 筆者の見立てでは、Oracle Cloudは、Autonomous Databaseなどもともと強みがあるデータベースのイメージが強い反面、IaaSやPaaSの充実度は消費者にあまり伝わっていない。オンプレミスでOracle製品を使い込んでいても、Oracle Databaseの周辺アプリケーションがOracle Cloudできちんと動くかどうか不安を覚える企業さえいると聞く。

 また、既存のERPの移行先としてOracleのSaaSを検討していても、そのSaaSが他のクラウドサービスと連携し、容易に拡張できる柔軟性があることも十分には理解されていない。

 これらの課題を解決し、メリットを市場全体に広めるには、SI企業などOracleのパートナーの存在が鍵となるだろう。CEOのヨハンセン氏も「パートナーとのエコシステムを生かし、顧客企業と直接的・間接的な関係性を築いた上でアプローチしていきたい」と語っている。

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