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着実に進化した新型HHKB「HYBRID」 オタク視点でねっとりとレビュー(3/4 ページ)

» 2020年02月14日 08時00分 公開
[ぺかそITmedia]

 PFUはそうしなかった理由として、充電池を内蔵した場合は電池の劣化がキーボードの寿命となってしまうことを挙げていた。交換可能な電池ボックスを採用した理由としては確かに合理的だ。

 その結果、筐体内に収まらない電池ボックスは外側に出る形となったが、実際に入力する格好で手前から見るとちょうど隠れる位置に配置されており、ユーザーから見てHHKB Pro2などと変わらず、ほとんど目立たない。とはいえ筆者のようにキーボード全体を舐め回すように眺める趣味のある人間にとっては、円筒形がくっついたデザインはやはりやや違和感を持つ。筐体の次の進化に期待したい。

後ろから。中央にあるのは電池ボックスとそのふた。左側には電源スイッチ、右側には有線接続用のUSB Type-Cポートがある
正面からみれば隠れるような位置に電池ボックスが来るようにデザインされている。普段使いではほぼ気にならない

無線機能は大幅に改善、より実用的に

 HHKB BTはBluetoothによる無線接続が可能になったPFU初のワイヤレスキーボードだが、前述したように有線接続には対応していなかった。またBTでは乾電池の他にmicroUSB端子を搭載していたもののこちらは給電専用で、ここを使用した有線接続に非対応だったため余計に混乱する仕様だった。

 HHKB HYBRIDではUSB Type-Cケーブルでの有線接続が可能になり、ワイヤレスキーボードとして4台のペアリング、加えて有線接続の最大5台のPCで使えるようになった。この改善により、自宅ではデスクトップPCで安定した有線接続はもちろん、HHKB HYBRIDのコンパクトさを生かして外に持ち出し、タブレットなどに接続して使うことも可能だ。

 HHKB HYBRIDではキーバインドによる接続先の切り替えが可能になった(BTでは切り替えができなかった)。Fn+Ctrl+“1”〜“4”キーの同時押しで切り替えていく。有線接続はFn+Ctrl+“0”で切り替えられる。手元のiPhoneとiPadでペアリングして使っているが、ペアリングをしていれば切り替えからの入力は数秒で行われ、実にスムーズだ。

 端子にUSB Type-Cが採用されたことも喜ばしい。HHKB BTが登場した2016年ではMacBookが代表するような薄型ノートPCやハイエンドスマートフォンぐらいでしかUSB Type-Cは採用されていなかったこともあり、HHKB BTの給電用USBポートにはmicroUSBが使われたものと思われる。

 あれから3年たち、ケーブルも入手しやすくなったUSB Type-Cが採用されたことは、裏表関係なく挿せることや耐久性などの点からとてもうれしく思う。またHHKB HYBRIDではHHKB BTにあったUSBポートのふたが無くなった。有線接続でポートの使用頻度が上がったため、これも好印象だ。

 ただ、HHKB Pro2にあったUSBハブ機能が無くなってしまったのは少々残念なところ。電池ボックスによるスペースの問題や、Bluetooth接続時には無用の長物となってしまうことからUSBハブ機能の削除は妥当だが、ワイヤレスマウスのレシーバーをつなぐなど便利に使っていた身としては少々もやっとする点だ。

今回からUSB Type-Cが採用された。裏表を気にすることなく接続でき、microUSBより耐久性が高い。HHKB BTにあったふたが無くなったのも◎

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