パーソナルコンピュータにおける巨人の一人、ラリー・テスラーさんが2月17日(米国時間)、74歳で死去した。
テスラーさんは、Xerox PARC(パロアルト研究所)でグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)を備えた最初のワードプロセッサソフトウェア「Gypsy」を開発し、カット、コピー&ペーストとモードレスでのテキスト編集を発明した。Appleに入社後はLisa、Newtonの開発に携わった。Newtonの心臓部となったRISCプロセッサの開発企業であるARM(現在のArm)へのAppleの出資を主導したのもテスラーさんだった。
カット、コピー、ペーストのキーボードショートカットがなぜそれぞれCommand + X、Command + C、Command + Vなのかについて、テスラーさんが自身のWebサイトで解説している。
GypsyではControlキーを「Look」と呼んでおり、書体をボールドにするときはLook + B、イタリックにするときはLook + Iと称していた。LisaではControlキーの代わりにCommandキーを使い、同様にCommand + B、Command + Iのショートカットを使った。しかし、カット(Cut)もコピー(Copy)も同じCで始まる。そこで、Commandキーの近くにあるキー、X、C、Vを選んだ。XはCross-cutを意味し、Vはキャレットを上下逆にしたように見えることから、それぞれカットとペーストに選んだのだという。
また、テスラーさんは自身のサイトで、Macに対する貢献について冗談っぽくこう記している。
I have been mistakenly identified as “the father of the graphical user interface for the Macintosh”. I was not. However, a paternity test might expose me as one of its many grandparents.
私はしばしば「Macintoshのグラフィカルユーザーインタフェースの父」と呼ばれているが、そうではない。ただ、遺伝子検査をすれば、たくさんいるMac GUIの祖父ということにはなるかもしれない。
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