名古屋経済大学市邨中学校の授業を取材したが、とにかくずっとiPadを使っているという印象だった。
実は、通常の授業を見学するために、取材することは打診していたが、いつ取材するかは近々まで伝えていなかった。
様々な学校取材をしてきた学校の中で、放課の時間でも生徒がずっとiPadを使っている姿を見たのは初めてだった。
これまでは、授業終了後に充電カートに収納するパターンが多かったからだ。
教室をよく見ると、iPadを充電するための充電ステーションなどはなかった。
同校では、モバイルデバイス管理(MDM)に「mobiconnect」を導入していて、通常のApp Storeには制限が掛けられている。
生徒は、Safariベースのゲームなどを活用したり、次の授業の予習などを自由に行っていた。
充電カートに一時的に置くことが想定されていないことに一番驚かされた。
Office 365 のビデオ サービス「Microsoft Stream」をイントラネットとして活用し、動画による課題提出も実施しているそうだ。
これらは、先生だけでなく生徒も閲覧可能で、生徒がイイネを付けたりコメントしたりできる。
他の生徒の作品を見ることで、新しい発想が生まれたり、アイデアを共有したりすることが自然に身につくのではないかと感じた。
また、現代社会におけるITリテラリーの向上にも確実に役立っていると感じる。
中学主任の中川琢雄先生の授業では、Keynoteを活用したクイズを作るプログラミング学習授業が行われていた。
課題は同じなのだが、クイズの進め方に生徒の工夫がされていて、それらを生徒達が体験し共有することでIT学習が自然に生まれていると感じた。
同校では、生徒の保護者や学校関係者の向けに1年間の中学生の活動成果を報告する「ICHIMURA J.H Open Day」が開催されている。
その発表グループによるチラシが廊下の壁に貼り出されていた。
これらは主にPagesで作成されているが、このチラシ作成一つとっても「デザインを学ぶ」学習が自然発生していると感じられる。
ある3年生のiPadを見せてもらったところ、耐衝撃ケースの代名詞「URBAN ARMOR GEAR」のケースがボロボロの状態だった。
UAGのケースが、ここまでボロボロになるということは、どれだけ使い込んでるか一目瞭然だ。
同校の推奨ケースがUAGなのも良く理解できる。
中川琢雄先生、矢田修先生に今後の課題点を伺ったところ、積極的に導入している中学校に対して、生徒数が10倍以上にもなる高校では、各先生のiPad活用に差があり、iPadを全生徒に配布したが、授業における活用に消極的な先生もいるそうで、全校一丸となってICT教育に取り組むまでには至っていないことなどを挙げていた。
同校では「Use ICT in Education@Ichimura」と題し、積極的にICTの活用を通じて授業の充実を目指す公開勉強会を月に1回のペースで開催している。
ICT教育に取り組みたいと考えている先生方に学校種や立場を超えて参加して欲しいそうだ。
こうした運営側の問題点なども隠匿せずオープンにし、解決に向けて努力している先生方の姿に感銘を受けた取材だった。
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