実装の早さはアジャイル開発によって実現した。アジャイル開発とは、機能ごとに企画設計から実装、テストまでを短期間で繰り返す開発手法だ。最初に全体の要件を定義して開発を進めるウォーターフォール型の開発に比べて、開発スピードが速いとされている。
東京都の対策サイト制作では、全ての機能を完成させてから公開するのではなく、重要な情報から順次表示できるようにしていくという方針を立てて開発を進めたという。
対策サイトに載っている情報は当初、感染者数やコールセンターへの相談件数にとどまっていたが、その後もグラフの追加が行われ、17日の時点では地下鉄の混雑度合いや検査実施数などが見られるようになっている。
「コアになる情報だけでもまずは出して、日々更新していこうと考えた」(天神さん)
対策サイトの進化を支えるのは都の職員とコード・フォー・ジャパンのエンジニアだけではない。4日のサイト公開以降、約10日で集まった一般の人々からの改善提案は1000件以上で、「メディアで取り上げられたことをきっかけに(提案数が)加速度的に増えている」(天神さん)という。
天神さんは「コードが書けなくても改善提案はできる。誤字の修正だけでも歓迎」としたうえで、「貢献してくれる方がほんとにたくさんいるので感謝しかない」と一般の人々の積極的な参加に喜んでいる。
東京都からコード・フォー・ジャパンへのリクエストも連絡手段を一本化するためGitHubで行っているという。
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