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» 2020年03月18日 07時00分 公開

東京都の新型コロナ対策サイト“爆速開発”の舞台裏 オープンソース化に踏み切った特別広報チームの正体(4/4 ページ)

[谷井将人,ITmedia]
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神奈川や北海道のソースコード活用は「願ったりかなったり」

 進化を続ける東京都の対策サイトは、他の自治体の情報発信にも役立っている。神奈川県や北海道では都の対策サイトのソースコードを活用して、それぞれの対策サイトが立ち上がった。いずれも都の対策サイトの公開から1週間以内の出来事だ。天神さんはこの状況を「願ったりかなったり」だとしている。

photo 神奈川県の新型コロナウイルス感染症対策サイト

 天神さんは、ソースコードだけでなく、データのフォーマットもオープンにしたこともこの広がりを支える要因の一つだと考えている。

 東京都では、対策サイトのソースコードだけでなく、そこに掲載している情報のデータ形式も公開している(オープンデータ化)。情報の集め方は自治体によって違いがあるが、データ形式さえ合わせれば東京都が公開しているソースコードを書き換えなくても、そのまま独自の対策サイトを作れる。データ形式を見ることで集めるべき情報が分かるというメリットもあるという。

 対策サイトは都庁内でも話題になり、都庁内でもオープンソース化への理解が深まり始めているという。天神さんはオープンデータを扱う場面ではGitHubを使ってみるという流れも見込めるとしている。

photo 東京都新型コロナウイルス感染症対策サイトのGitHubページ

 東京都の挑戦は、新型コロナウイルス感染症への対策にとどまらず、自治体や国の行政機関の一つの手本にもなった。

 天神さんは「オープンデータを出していけば世界中の人がいろんな人が(開発に)参加してくれることが今回分かった。日本中にオープンな取り組みが広がっていくと良い」と期待している。

 個人情報や技術情報など一般に公開できないものもあるため、オープンソース化やオープンデータ化が常に正しいわけではない。しかし、同様の取り組みが他の行政組織からも出てくれば、Webサイトやサービスへの修正提案を通した社会参加や、データサイエンティストによるデータ活用などが進む可能性もある。行政組織の情報発信の在り方が今後どのように変化していくかは、IT分野から見ても重要な観点になるだろう。

【編集履歴:2020年4月9日午後3時15分 初出時、東京都の「特別広報チーム」を「特別公報チーム」と誤記していました。訂正してお詫びいたします】



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