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集中力を高めるウェアラブル端末「WEAR SPACE」、使って分かった意外な効果体当たりッ!スマート家電事始め(1/2 ページ)

» 2020年03月18日 19時04分 公開
[山本敦ITmedia]

 人の集中力を高めるという画期的なウェアラブル端末「WEAR SPACE」をパナソニックが開発した。2018年末に実施したクラウドファンディングが成功し、5月から支援者に届けられる見通しになった。今回は市販のヘッドフォンがベースの試作機を試した。

「WEAR SPACE」を装着したところ

 WEAR SPACEは、アクティブ・ノイズキャンセリング(ANC)機能を搭載したワイヤレスヘッドフォンと、柔らかいジャージー生地で作られたパーティションを一体化したもの。頭に装着すると左右のパーティションで視界が狭められ、ヘッドフォンのANC機能が周囲の雑音を遮断する仕組み。頭の周りに自分だけの空間を作る。

 WEAR SPACEを装着できる頭のサイズは54〜62cm。ヘッドフォンのようなヘッドバンド(頭の上で左右をつなぐ部分)はなく、イヤーパッドで両耳を挟み込むように装着してから、本体内側のサポーターと呼ばれるパーツをこめかみの上あたりに添える。重さを分散し、全体を安定させる仕組みだ。

ヘッドフォンの上に出ているのがサポーター

最初は気になる周囲の目

 筆者は頭囲がやや大きめだが、幸い無理なくフィットした。両耳にかかる側圧も負担にならない程度で、逆に頭の小さい人が身に付けたとき、少し緩く感じられるかもしれないと思った。この点は、製品版でどこまでブラッシュアップできるか期待したい。

 装着した途端、視野はかなり狭くなる。左右はパーティションの先端が少し視界に入る程度に狭まるが、上下方向は開けているため、暗さは感じない。さらにANCをオンにすると、にぎやかな場所に居ることすら忘れてしまう。なかなか心地よい。

装着した人の視野はこんなイメージ。何かのコックピット的なものに乗り込んだような不思議な高揚感がわいてくる

 気になるのは、やはり周囲の目だ。装着している自分の写真を見てもかなりインパクトがあると思うし、他の人が装着していたら二度見する自信もある。仮に知り合いだと分かっていても声はかけられないだろう。もちろん、「自分、いま集中してるんで」というオーラを纏うこともこの製品の狙いの一つなので、その点は大成功といえる。

この人に声を掛けられるだろうか?

 実際、装着している人は正面しか見えず、周囲の目線が飛び込んでこないため、見た目を気にしなければ集中力は高まる一方だ。学生のときは一人で勉強していても近くにあるスマホなどが気になってしまうものだが、これを身に着ければ勉強もはかどりそう。

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