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緊急事態宣言発令で、定期券や予約していたきっぷはどうなる?非テツでも楽しめる、テツ好きが注目するチマタの話題

» 2020年04月23日 06時00分 公開
[佐倉瑞歩ITmedia]

 4月7日に緊急事態宣言が発令されてから2週間。当初は東京都など7都道府県が対象でしたが、4月16日に全国に拡大されました。そして、まもなくゴールデンウィーク。緊急事態宣言発令の前、ここまでの事態が予想できなかった頃に帰省や旅行のために列車を予約していた方も多いと思います。そのきっぷはどうなるのでしょうか。

連載:非テツでも楽しめる、テツ好きが注目するチマタの話題

ここでは鉄道に関するちょっとした豆知識をお伝えすることで、何となく知識が増えたなとか、みんなが知らないことが自慢できたりとか、まあそんなことを目指してお届けしていく、テツの与太話です(作倉瑞歩)


切符はキャンセル料なしで払い戻せる

 外出自粛などで人の動きがかなり少なくなっている状況を踏まえ、JR各社では3月末から臨時列車を運休する動きが広がっています。このため事前予約などで販売したきっぷについては、手数料なしで払い戻しに応じています。

 例えばJR東日本では、きっぷをインターネットで購入できる「えきねっと」で予約していても、発券していなければ自動的にキャンセルされます。一方、東海道新幹線のきっぷをインターネットで購入できる「エクスプレス予約」や「スマートEX」では、利用客が自分で払い戻し操作をしなければなりません。

 ここで気をつけなければいけないのは、払い戻すきっぷを「いつ買ったか」です。すでに発券してしまった場合、手数料なしで払い戻しが受けられるのは、4月7日以前に購入したきっぷが対象となります(JR各社)。

 払い戻しの期間は、緊急事態宣言が解除された日の翌日から1年間なので、すぐに窓口に行って払い戻しを受けなくても大丈夫。ここは慎重に行動しましょう。

 なお、旅行代理店を通じて購入したきっぷの場合、宿泊を伴わない乗車券は該当する交通機関に問い合わせて払い戻しを受けます。JR券付きの旅行プランは、運行が休止されていればJRのルールに従って払い戻されます。詳細は旅行代理店への確認が必要ですが、キャンセルが多く発生しているため、処理に1カ月ほどかかる場合もあるようです。

定期券へのチャージは待って!

 きっぷと同様に定期券の払い戻しも告知されています。

 通学定期券の場合、政府が臨時休校を発表した翌日(2月28日)以降の最終登校日を最終使用日と見なし、所定の額が払い戻されます。きっぷと同じように、購入日から1年間の払い戻し期間がありますが、220円ほどの手数料がかかります。なお、払い戻されるのは有効期間が1カ月以上残っている場合ですが、Suica定期券を使用した場合、その使用日が最終使用日となってしまいます。またチャージだけでも同様に使用日となることに注意しましょう。

通勤定期券の取り扱い(JR東日本の場合)

 通勤定期券は、政府が緊急事態宣言を発令した4月7日を最終使用日と見なし、1カ月単位で計算した額が払い戻されます。こちらも8日以降にSuica定期券を使用したり、チャージしたりした場合はその日が最終使用日になりますので注意してください(以上はJR東日本)。

 以下にJR各社の新型コロナウイルス感染拡大に伴う運休、払い戻しなどに関する情報ページをまとめました。リンク先を参照してください。

観光列車だけでなく一般列車も軒並み運休

 観光列車の運休も相次いでいます。例えば豪華列車として知られたJR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」は5月19日まで運休となりました。同じくJR九州が運行している「ゆふいんの森」や「かわせみ やませみ」「SL人吉」などは5月いっぱいの運休を予定しています。あと目立つところでは、JR西日本のSL「やまぐち」号が当面の間、JR四国の「伊予灘ものがたり」「ゆうゆうアンパンマンカー」は4月いっぱいの運休が決まっています。

 こうした動きはJR各社だけではなく、地方の私鉄についても同様です。例えば、首都圏でSLを運行している東武鉄道の「SL大樹」、真岡鐵道の「SLもおか」、静岡の大井川鐵道を走っている「SLかわね路号」も運休しています。

 観光列車だけでなく、一般列車についても運休になっているケースもあります。首都圏ではJR、東京メトロ、都営地下鉄での減便は行われていませんが、関西圏を走るOsaka Metroでは、地下鉄とニュートラム全路線で約2割を減便しています。ほかの関西私鉄でも、4月18日、19日の土日には一部列車を運休しました。

 こうした観光列車や一般列車の運休情報については、乗換案内情報を提供しているジョルダンのWebサイトに詳しく掲載されています。

 新型コロナウイルスはいつ収束するのか、まったく先が見えません。「不要不急な外出」がいつ解禁になるのか分からない現状では、鉄道の減便などがこれまで以上に広がっていくのでしょう。

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