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未経験から“AI人材”に データサイエンティストが伝える「機械学習を学ぶ意味」(3/5 ページ)

» 2020年05月01日 07時00分 公開
[堅田洋資ITmedia]

仕事が楽しくなる、課題の見つけ方

 では、実際の業務の中で、機械学習を使うと効果が出そうなシーンや課題を見つけるにはどうすればよいでしょうか。

 このとき重要なのは、手段から考え始めるのではなく、ビジネス課題を見つけることから始めることです。課題があってこそ、解決の手段は意味のあるものになるため、まずは仕事上の課題を見つけましょう。

 日々、多くの業務に追われていると、目先の作業をこなすことで頭が一杯になりがちですが、そんな当たり前の業務に一度立ち止まって向き合ってみると、実は解決できる課題が浮かんでくるはずです。

 課題の見つけ方のポイントとしては、日々の業務で「繰り返しで面倒くさい」「何度もやるのがだるい」と思うことは何か? そこにヒントが隠されています。なぜなら、AI・機械学習はそういった「繰り返しで面倒くさい」「何度もやるのがだるい」を解決するのが得意だからです。

 日々の業務を自動化するのに向いているのは、以下の3つの特徴がある業務です。

(1)毎日同じことを繰り返す「ルーティンワーク」

(2)人数や時間さえあれば終わる「マンパワーで解決できる仕事」

(3)ベテラン社員にはできる「職人芸」

 毎日同じことをしているな、単純作業だな、と感じる作業はルーティンワークです。毎月同じ交通費など経費の入力をする、メールの定型文を打つ、などの作業は、AIを使って自動化できるかもしれません。

 また、大量の顧客データを整理する、膨大な資料の中から欲しい資料を探し出すなど、マンパワーで解決できる仕事や、経験やスキルを持っている人しかできない、”職人芸”ともいえる仕事もAIに頼ることができます。

 まずは、担当業務でAIを使える仕事にはどんなものがあるか思い浮かべてみましょう。

 他にも課題を見つける考え方として、以下の3つのステップを踏んでみるのもおすすめです。

課題解決の3つのステップ

(1)現状を把握する

(2)あるべき姿を考える

(3)「現状」と「あるべき姿」の差分を認識する

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