このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
マサチューセッツ工科大(MIT)の研究チームが開発した「TRANS-DOCK」は、ピンが並んだ、ピンベースの脱着式立体ディスプレイだ。バーチャルオブジェクトの触覚生成など、多様なインタラクションを可能にする。
これまでのピンベース立体ディスプレイは、おおむね垂直に作動するピン構成で、ディスプレイサイズ、解像度、ピン配列なども固定もしくは制限されていた。この課題に挑戦するため、TRANS-DOCKでは交換できるトランスデューサーモジュールを用いてさまざまな立体ディスプレイを構築可能なシステムを提案する。
ユーザーはA、B、C、D……の中から好きな形状トランスデューサーを本体に合体させ、再現したい触覚にあわせた立体ディスプレイにカスタマイズする。
例えば、線形(線のように細長い形)ピンを用いた指先サイズの高解像トランスデューサー、解像度が可変するトランスデューサー、グネグネと曲る動きのトランスデューサー、モグラ叩きトランスデューサー、線形の代わりに注射器と風船を取り付け膨らませた柔らかい触覚を生成するトランスデューサーなど、多様だ。
このように、ピン間隔、レンダリングエリア、ピン配置など、多様な構成を選択的に変更でき、また直線運動だけでなく、曲げ、膨張、回転などの多様な動きもレンダリング可能と、汎用性の高いピンベース立体ディスプレイであることを実証した。
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