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スタジアムの選手に自宅から声援を届ける“リモート応援”技術、ヤマハが実験 ジュビロ磐田、清水エスパルスが協力

» 2020年05月18日 19時09分 公開
[ITmedia]

 ヤマハは5月18日、自宅でテレビやネットの中継を見ながらスタジアムに声援を届けるリモート応援システムを発表した。13日にはプロサッカーチームのジュビロ磐田、清水エスパルスの協力を得て実証実験を行い、有用性を確認したという。

リモート応援のイメージ。新型コロナウイルスの感染リスクを排除しながら応援できる

 ヤマハが開発した「Remote Cheerer powered by SoundUD」は、スマートフォン用の専用アプリで吹き込んだ声や、あらかじめ用意された歓声、拍手、ブーイングなどをスタジアムの各所に設けたスピーカーで再生するシステム。利用者は声を出す場所を選べるため、例えば応援するクラブのゴール裏から歓声を送るなど、「あたかも観客席にいるかのような感覚でゲームを楽しめる」という。

アプリ画面のボタンはゲームによってカスタマイズできる(プロモーション動画より)

 13日の実証実験は、「エコパスタジアム」(静岡県袋井市)で行った。無観客試合を想定し、スタジアム内に計58台のスピーカーを設置。ジュビロ磐田と清水エスパルスのオフィスなどでモバイル端末を操作した。特定の応援団はスマホをタップするだけでチャント(応援歌)を流せる仕組みで、当日はチャントに合わせて参加者全員が手拍子を送ったという。

 ヤマハでは、「場内アナウンスとのバランス調整やクラブごとに音を送るゾーンを分けることで観客動員時に近い雰囲気が作れることなども確認できた。5万人収容の大規模スタジアムでも十分な臨場感が得られる」と胸を張る。実験に参加したジュビロ(ジュビロ磐田の運営会社)の柳原弘味さんは「今回のシステムは、ピッチの選手たちにサポーターの皆様を近くに感じてもらい、 勇気を与えるものになる」と評価した。

 元選手で現在はエスパルスの社員になっている高木純平さんは、「歓声は試合を作り上げる大切な要因の一つ。 ピッチの上で戦う選手たちにとっては心強い後押しになる」と話している。

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