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差別や偏見に根差すracism問題の根深さIT基礎英語(1/2 ページ)

» 2020年06月15日 07時10分 公開
[鈴木聖子ITmedia]

 黒人男性の死亡事件を発端として全米で激化した抗議デモ。大手企業が非白人の採用を増やすと表明し、奴隷取引や先住民虐殺にかかわった歴史上の人物の銅像が次々になぎ倒され、かつての大作映画の配信が中止されるなど、影響は広がり続けている。ニュースでは毎日のように、「racism」の言葉を目にするようになった。

 racismは人種や民族を意味する「race」の派生語。肌の色や地域、文化、出身などに基づく人の分類を根拠として、相手の人間性や優劣を決めつけることを「racism」、そうした考え方や行動をする人を「racist」と呼ぶ。英語辞典のMerriam-Websterはracismをこう定義している

a belief that race is the primary determinant of human traits and capacities and that racial differences produce an inherent superiority of a particular race

photo Merriam-Webster "racism"

人種は人の特性と能力を決定づける主な要因であり、人種の違いが特定の人種の本質的な優位性を生じさせるという考え方

 今回の事件をきっかけに、Appleは人種の平等と正義を掲げる「Racial Equity and Justice Initiative(人種的平等と正義のためのイニシアチブ)」を発表した。Facebookは社内の人材の多様性を推進する「chief diversity officer(最高多様性責任者)」を昇格させ、YouTubeは黒人のクリエーターの活動を支援するファンドを創設するなど、各社が問題解決に向けた取り組み姿勢をアピールしている。

photo Appleのティム・クックCEOはビデオで声明を発表した

 日本語でracismは「人種差別」と訳されることが多いけれど、例えば肌の色が同じでも、隣の国の民族より自分の国の民族の方が優れていると何故か思い込むことも、racismに該当する。

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