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差別や偏見に根差すracism問題の根深さIT基礎英語(2/2 ページ)

» 2020年06月15日 07時10分 公開
[鈴木聖子ITmedia]
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 この問題が根深いのは、ほとんどの人が自分をracistだとは思っていないこと。racismに対して抗議の声を上げたテニスの大坂なおみ選手のツイートは炎上し、「日本にracismはない。騒ぎ立てるな」と主張するコメントまで書き込まれた。

 黒人をステレオタイプ化してデフォルメしたNHKのアニメ動画は海外からの批判の的になった。たとえ悪意はなかったとしても、特定の人種や民族への偏見を含む表現は相手を傷つける。黒人に限らず、日本人を含むアジア人も、白人から見れば「colored people(有色人種)」。目が細くて吊り上がった黒髪のステレオタイプとして描かれることも多い。racismの問題は他人事ではない。日本人も被害者になり得るし、加害者にもなり得る。

 大坂選手が理不尽な暴言を浴びせられても鮮やかに打ち返していたのはさすがだった。炎上騒ぎをこんな言葉で締めくくっている。

I know I’ve been attacking a lot of racist Japanese tweets the last few days but Japan is actually a really amazing place. I really don’t want to give the misconception that the entire country is racist, they just have a few bad apples like everyone else. Love you guys

私はここ数日、人種差別的な日本人のツイートをたくさん攻撃しているけれど、日本は本当はとても素晴らしい場所。この国全体が人種差別主義だという間違った印象は与えたくない。ただ、ほかのみんなと同じように、悪いリンゴが幾つかあるだけ。大好きだよ。

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