米Appleのティム・クックCEOは6月4日(現地時間)、「人種差別について語る」と題した声明文を発表した。黒人男性ジョージ・フロイド氏の白人警官の暴行による死亡を契機に高まっている「#BLM(Black Lives Matter)」に言及し、企業としての「誰にとってもより良い平等な世界を創造する」というコミットメントを表明した。Appleの米国の公式サイトは現在、黒地に白抜き文字でこの声明文へのリンクが表示されている。
本稿では、#BLMを契機に意思表示した主な米IT企業トップの声明文のリンクをまとめておく。意思表明だけでなく、寄付や具体的な対策を提示しているCEOもいる。
米Googleのスンダー・ピチャイCEOはその前日、「黒人コミュニティを支持する」という声明文を発表。米Google.comと傘下のYouTubeの米国サイトは5月31日から人種的平等を支持するメッセージが表示されている。
米Microsoftのサティア・ナデラCEOは2日、自身のTwitterアカウントで「私は黒人とアフリカ系米国人のコミュニティを支持する」とツイートした。Microsoftは公式Twitterアカウントで、有色人種の従業員による傘下のLinkedInへの投稿を紹介している。ナデラ氏は5日、あらためて公式ブログで「変革のための団結」というタイトルの従業員宛公開書簡も公開した。
米Amazon.comのジェフ・ベゾスCEOはInstagramの公式アカウントで1日、「黒人コミュニティに対する人種差別と暴力を目撃することで引き起こされる痛みとトラウマは長く続く」と語り、オンラインメディア編集者のブログへのリンクを紹介した。Amazonとしても同日、公式Twitterアカウントで「我が国での黒人に対する不公正で残酷な仕打ちは止めなければならない」とツイートした。
米Twitterのジャック・ドーシーCEOは5月29日、#BLMの抗議運動が暴徒化すれば発砲するというドナルド・トランプ大統領のツイートを非表示にした後、#BLM関連の多数のツイートをRTし、自身のアカウントの背景を黒一色に変えた。Twitterの公式アカウントの背景も黒になり、#BlackLivesMatterのハッシュタグを掲げている。ドーシー氏が経営するもう1つの企業Squareのアカウントは、ロゴにこぶしを振り上げるイラストを追加している。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは5月31日、Facebook投稿で「黒人コミュニティを支持する」と表明した。FacebookはTwitterが非表示にしたトランプ氏の投稿と同じ内容のFacebookとInstagramへの投稿を放置していることで、内外から批判されている。
Snapchatを運営する米Snapのエヴァン・シュピーゲルCEOは5月31日、トランプ大統領の公式アカウントのプロモーションを停止すると発表した際、自身は裕福な白人だが、南アフリカで育ったのでアパルトヘイトの問題にはずっと向き合ってきたと語り、「われわれは平和、愛、正義を支持する人々を支持し、Snapchatを悪ではなく善をプロモートするために使う」と宣言した。
Pokemon GOなどを運営する米Nianticのジョン・ハンケCEOは3日、公式ブログで、「Nianticはプレイヤーのためのコミュニティだ。(中略)まずは、コミュニティのメンバーの屋外での活動を妨げている人種差別と不正を克服しよう」と呼び掛けた。
米Redditのスティーブ・ハフマンCEOは1日、公式ブログで「今こそ、コミュニティの黒人メンバーと連帯して立ち上がる時だ」と語った。
Redditには人種差別的なサブレディットが多数あり、これを規制しないことに対し、前CEOのエレン・パオ氏がTwitterで強く批判している。
【更新履歴:2020年6月6日午後6時50分 Microsoftのサティア・ナデラCEOの公式ブログについて追記しました。】
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