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FacebookのザッカーバーグCEO、「政府高官の投稿にもラベルを付ける」と方針変更

» 2020年06月27日 07時57分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは6月26日(現地時間)、コンテンツの扱いについて複数のポリシー変更を発表した。ドナルド・トランプ米大統領の問題のある投稿を放置していることで内外から批判され、また、差別的コンテンツを放置していることで大手広告主がボイコットする中、金曜の午後にタウンホールミーティングで変更を説明した。

 zuck オンラインタウンホールミーティングで発言するマーク・ザッカーバーグCEO

“ニュースとしての価値のある”問題投稿にラベル付け

 Facebookは米Twitterがラベル付けしたトランプ大統領の投稿を「ポリシーに違反していない」として放置しているが、新たなポリシーの下ではニュースとしての価値がある問題投稿にラベルをつけて残すことで、人々の議論を助けるという。

 なお、たとえ政治家や政府高官の発言でも、コンテンツが暴力につながるか、「選挙での投票権を奪う可能性がある」とFacebookが判断した場合は削除するとしている。

 問題となっているトランプ氏の投稿には、本稿執筆現在ラベルはついていない。ただ、トランプ氏のページをスクロールしていくと、この投稿は表示されなかった。午前10時4分の投稿の次は午後8時58分の投稿が表示され、問題の投稿は抜ける。

 trump 問題となっているトランプ氏の投稿には本稿執筆現在ラベルはついていない

差別的な広告の禁止

 差別的な内容の広告を禁止する。具体的には、人種、民族、国籍、宗教、カースト、性的指向、性同一性、移民であることなどについて、差別を示唆するような広告を禁止する。

 ザッカーバーグ氏は、広告主によるボイコットについては触れていない。このボイコットには、North Faceなどのブランドの他、VerizonやUnileverなどの大手が参加している。

 この変更に対し、広告主のボイコット運動の中心となっている「Stop Hate For Profit(収益のためのヘイトスピーチを止めよう)」キャンペーンは、広告ではなく一般の投稿でのヘイトスピーチを問題としているのに、それについてはほとんど言及していないと指摘。Facebookの反応は「不十分だが、一歩踏み出したとはいえる」とし、「Facebookがこの問題を真摯に受け止めていればやるべき10のステップ」を示した

選挙を攪乱するような試みに対する対策

 11月の大統領選に向けて、「投票情報センター」を立ち上げ、投票に関する信頼できる情報を共有する。

 また、投票に関する投稿には、その投稿が正しいかどうかにかかわらず、投票情報センターへのリンクを付ける。たとえば「投票場近辺は新型コロナウイルス感染症の発症者がいる」という投稿の真偽をFacebookが確認するのはなく、リンクを示すことでユーザー自身に真偽を確認する機会を与えるという形だ。

 Facebookは、2016年の米大統領選の結果にFacebook上のフェイクニュースが大きく影響を与えたとして批判された。

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