2007年の「初音ミク」登場以来、歌声合成ソフトと言えばVOCALOIDという状況が続いていた歌声合成ソフト業界に変化が起きている。VOCALOIDと組み合わせて使う音源ソフトがもう1年以上リリースされていない一方で、新しい歌声合成ソフトは続々登場。もともとVOCALOIDの音源ソフトを開発していたベンダーがVOCALOIDではない歌声合成ソフト用の音源を作るという現象が起きているのだ。
VOCALOIDはヤマハが2003年から展開している歌声合成ソフト。サードパーティーによる製品も含め、19年までに80以上、最もリリースが多かった15年には20本近い音源が発売されてきた。
しかし、19年3月に吉本興業が運営するレーベル「ガイノイド」がVOCALOID音源「鳴花ヒメ・ミコト」を発売して以降、1年以上に渡って音源がリリースされていない。
一方、2020年に入ってから企業による新しい歌声合成ソフトの発表が相次いでいる。
歌声合成技術の開発を手掛けるDreamtonics(東京都台東区)は7月、歌声合成ソフト「Synthesizer V Studio Pro」を発売する。8月には初音ミクなどのキャラクターを運営するクリプトン・フューチャー・メディア(CFM)が自社製の歌声合成エンジンを搭載した「Piapro Studio NT」、年内には名古屋工業大学発のベンチャー企業テクノスピーチが「CeVIO Pro」を発売する予定だ。
それに合わせ、それぞれの歌声合成ソフトと組み合わせて使う音源を各社が21年春までに合計で10本以上リリースする見込みとなっている。その中には、もともとVOCALOID音源として販売されてきたキャラクターも含まれるのだ。
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