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ソニー、ゲーム・金融以外で新型コロナ悪影響 21年3月期予想で純利益12%減へ(1/2 ページ)

» 2020年08月04日 19時35分 公開
[谷井将人ITmedia]

 ソニーが8月4日に発表した2020年度第1四半期(20年4月〜6月)の連結決算は、売上高が1兆9689億1900万円(前年同期比2.2%増)、営業利益が2283億9500万円(同1.1%減)とほぼ横ばいだった。巣ごもり需要や新作タイトルのヒットでゲーム事業が業績に貢献した一方で、他事業は新型コロナの影響による業績不振が重荷となった。2021年3月期通期予想の純利益は前期比12.4%減の5100億円と見込んでいる。

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ゲームと金融事業が好調

 ゲーム事業は売上高が6061億900万円(前年比1486億4800万円増)、金融事業は4467億6000万円(1098億2500万円増)で好調だった。

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 新型コロナの影響でプレイステーション 4(PS4)の生産に若干の遅れが生じたが、巣ごもり需要がPS4向けの新作タイトル「The Last of Us Part II」「Ghost of Tsushima」のヒットに重なるなど、ゲームソフトのダウンロード販売数が大きく増加。ゲームの有料会員サービス「プレイステーション プラス」(PS Plus)の会員数も6月末時点で4500万人まで拡大している。

photo ソニーの十時裕樹副社長

 ゲーム制作に対する新型コロナの影響については、在宅勤務制度の導入や海外への渡航制限対策などを行うことで開発スケジュールに大きな問題は出ていないという。2020年末に発売する新型ゲーム機「プレイステーション 5」について、同社の十時裕樹副社長は「年末商戦に向けて順調に生産を続けている」としている。

 金融分野では傘下のソニー生命保険が4月から感染症予防のため対面での営業活動を停止していたが、6月には再開。新規顧客の獲得には苦戦しているが業績は回復し、前年同期比1098億円増の大幅成長を遂げた。運用コストの見直しで利益率を向上させたという。

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