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Google、イヤフォンケーブルでジェスチャー操作する「E-textile Microinteractions」開発Innovative Tech

» 2020年08月05日 18時00分 公開
[山下裕毅ITmedia]

Innovative Tech:

このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。

 Googleの研究部門であるGoogle Researchが開発した「E-textile Microinteractions」は、スマートフォンやスマートスピーカーなどのケーブルで多様なジェスチャー入力ができる技術だ。

photo I/O Braidを用いることで多様なジェスチャー操作が可能

 複数の導電性糸などを螺旋状に編み込んで作成するケーブルに触れたりねじったりするときの静電容量の変化を、接続したデバイスへの命令に用いる、同社が開発したセンシングアーキテクチャ「I/O Braid」がベースとなっている。

 今回はタッチやツイストに加え、ピンチ(2本の指で挟む)、グラブ(握る)、パット(手のひらで軽く叩く)、スライド(挟んだ状態で滑らせる)などが新たにジェスチャー入力として利用可能になった。連続動作など細かい操作も可能。

photo 参加者12人が8つのジェスチャーをしたデータ

 実験の結果、平均認識精度は93.8%で、現在イヤフォンで使用されているインラインリモコンよりも高速で、最新のトラックパッドと同等の性能であることを実証した。

 応用例として、スマートスピーカーのケーブルを使って操作するアプリケーションが紹介されている。タップやピンチで再生や一時停止、スライドで次のプレイリストに移動、ツイストで音量調整や早送りなど。連続的にツイストすることで、細かい音量調整も可能だ。

photo スマートスピーカーのケーブルを用いたジェスチャー入力の応用

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