8月6日午前0時ごろ、“JL123”というコードの航空便が、航空機の位置情報をリアルタイムに表示するアプリ「Flightradar24」上に現れた。アプリの地図上で成田空港に姿を見せた同便は同日午前1時までに姿を消した。
JL123が表しているのは「日本航空123便」。1985年8月12日に日本航空123便墜落事故が起きて以来、この便名は欠番となっている。この事態に気付いたアプリユーザーからは、「なぜ存在しないはずの便が表示されているのか」など、困惑の声が上がった。
アプリ上にJL123が現れたのは何かの不具合なのか、それとも──。真相を確かめるため、Flightradar24の運営会社であるスウェーデンFlightradar24と、日本航空に取材した。
なぜアプリ上にJL123が表示されているのかという質問に対し、Flightradar24社は「航空機側から送られてきたコールサインがJAL0123だった」と答える。
「アプリでは、航空機に搭載される通信機器(トランスポンダ)を介して送信される位置情報データ(ADS-Bデータ)に含まれる、航空会社の識別子と便名を含むコールサインを受信している。コールサインは航空機に乗っている人が直接フライトマネジメントコンピュータに入力する。今回の例では成田空港にいた航空機がこのコールサインをブロードキャストしていた」(Flightradar24)
つまりアプリ上の不備ではなく、正常な応答の結果、JL123が表示されたという主張だ。この回答を基に、日本航空にも事実確認を行った。
「確かに今回コールサインにJAL0123を使った」として、日本航空は事実関係を認めた。
「日本航空では、2年に1度、航空機と管制塔が情報をやりとりする機能をテストしている。その際には実際に航空機と管制塔を電波でつなぎ、航空機の位置情報を確認する。テストに用いるフライトナンバーのルールは特に定めておらず、連番で入力が簡単なJAL0123を使用した」(日本航空)
「他意はなかったが、特に8月という時期もあり、お騒がせしてしまい申し訳なかった。今後はテスト時の入力ルールを見直す」と取材に答えた。
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