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話題のビデオ会議用ツール「mmhmm」を使ってみて「これはいいものだ」と感じた理由(3/3 ページ)

» 2020年08月07日 12時30分 公開
[西田宗千佳ITmedia]
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プレゼンは「画面共有」+「ウィンドウ再生」で

 もう1つ留意すべき点がある。

 mmhmmはプレゼンソフトではない、と書いた。だから、プレゼン資料は直接読み込めない。

 いや、「方法が2つある」といった方が正しいかもしれない。

 1つ目は、資料をバラバラな画像にして読み込むこと。

 mmhmmには1つ1つの画像を順に切り替えて重ねる機能があるので、それを資料表示に使うのだ。この場合、表示の解像度も高くスッキリ見えて、操作もmmhmmだけで完結するので使いやすい。だが、プレゼン内で別の動画を使ったり、「トランジションのアニメーション」や「マーカー表示」などのインタラクティブな要素は使えない。そもそも、映像を連番で切り出して全部mmhmmに読み込むのは、意外と面倒なものだ。

 そして2つ目が「画面共有(Screen Share)を使う」方法。Macの画面自体やアプリのウインドウをmmhmm内に共有して表示する形だ。これなら、同じ機器内で動いているアプリの画面なら、なんでも配信側に表示できる。プレゼンはもちろん、WebサイトやゲームだってOKだ。

 リービン氏のビデオの中で、「AirPlayを使ってiPhoneの画像も入れられる」と言っていたが、実は、mmhmmにはAirPlayを受信する機能はない。「AirPlayer」などの「AirPlayをMacで受信するアプリ」を別途インストールし、その画面を共有して使う、ということなのだ。

 ただここで重要なのは、mmhmmの画面共有機能が、あくまで「画面全体かアプリのウインドウ」を共有するものだ、ということだ。

photo 「Screen share」(画面共有)を使えば、全画面もしくはウインドウ単位で、映像をmmhmmの中に表示できる。プレゼンソフトを使う場合はこの機能を活用しよう

 プレゼンをする場合、一般には資料は「全画面」で表示される。プロジェクターに表示するならこれでいいが、mmhmmで画面共有を使う場合、「全画面」だとすべての操作がプレゼンソフトに奪われるので、mmhmmの操作ができなくなってしまうのだ。

 だからプレゼンソフトを使う場合には、プレゼンを全画面再生するのではなく、「ウインドウ内で再生」にする必要がある。PowerPointの場合には「スライドショー」のタブの「スライドショーの設定」から「出席者として閲覧する(ウインドウ表示)」を選ぶ必要があるし、Keynoteでは「再生」メニューから「スライドショーをウインドウで再生」を選ぶ必要がある。

 また、mmhmmとプレゼンソフトの操作は連動していないので、プレゼンのページ送りは操作対象アプリをプレゼンソフト側に切り替えて行うか、何らかの外部機器を使って行わないといけない。

 画面共有での解像度は、画像としてmmhmm内に取り込んだ場合に比べ劣るようだ。とにかく細かい文字をプレゼンで使うなら、画像にした方がいい。まあ個人的には、プレゼンのデータで20ptを下回る文字を使うのは本末転倒だと思っているので、そこは問題ないと感じたが。

CPU負荷が気になるが、使い勝手は良好

 使ってみて、「確かにこれはいい」と思った。動画やアプリなどを同時に見せるにも向いているし、プレゼンにアクセントを付け加えるにもいい。なにより、操作がとてもシンプルだ。

 筆者の場合、講演などの仕事はさほど多くない(意図的に増やさないようにしており、月に1、2度の範囲で承っている)のだが、オンラインならば、今後はmmhmmでプレゼンをしよう、と思った。そのくらい便利だ。

 ただ気になるのは「CPU負荷の高さ」だろうか。プレゼンを始めるとCPUファンがずっと回りっぱなしだったのは気になる。マイクにファンのノイズが入るかと思ったが、そこはさほど問題なかった。とはいえ、指向性の高いマイクを別途用意した方が安心できる。

 「MacBook Airには荷が重いのか」と思ったのだが、知り合いに聞くと、「MacBook Pro 16インチでも同じ状況」と言っていたので、ピーク性能を求めるというより、常に一定以上の負荷がかかる作りなのかもしれない。この辺は、製品版で改善していってほしいところだ。

 Windowsへの対応も気になるが、両方のプラットフォームを並行して使っている身としては、さほど問題ではない。

 今後ベータテスター枠の拡大も予定されているということなので、皆さんもぜひ試してみていただきたい。

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