体当たりッ!スマート家電事始め
秋に登場するApple純正「睡眠」機能はApple Watchの市場を広げるか β版を試して分かったこと
Appleは今秋、「iPhone」と「Apple Watch」に同社初の「スリープトラッキング」(睡眠記録)機能を追加する。「ヘルスケアアプリには以前から『睡眠』があるじゃないか」と思うかもしれないが、これまではサードパーティー製アプリなどからデータを持ってきて記録するだけ。秋に登場する「iOS14」と「watchOS 7」では、iPhoneやApple Watchの加速度センサーを使った睡眠追跡が可能になる。
対応機器は、「iPhone 6s」以降と「Apple Watch Series 3」以降。Apple Watchを腕に付け、あるいはiPhoneを枕元に置いて睡眠を計測する。就寝中はデバイス内蔵の加速度センサーが細かい動きを検知し、アップルが独自に開発した機械学習モデルによって“寝ている状態”を判別するという。なお、iPhoneは単体で使えるが、Apple WatchをセンサーにするときはiPhoneも必要だ。
睡眠記録には、主に「睡眠時間の計測」と「めざましアラーム」の機能がある。めざましアラームは、起床時間になるとApple WatchとiPhoneから目覚まし音が鳴り、Apple Watchは触感フィードバックを使って手首を優しく叩く。
睡眠時間を計測するには、まず就寝時刻と起床時刻を設定する。曜日ごとの設定も可能で、一度設定すれば毎日オンオフを切り替える必要はない。
起床後にiPhoneの「ヘルスケア」アプリを開くと、眠っていた時間が棒グラフのように表示された。眠りの“深さ”までは計測せず、シンプルに過去1週間の寝ていた時間帯と平均睡眠時間を表示する。記憶の限りでは、睡眠時間は正確に記録されていた。
またアプリの「睡眠」ページには、人間にとって眠ることが大切な理由や、良い眠りを得るためのヒントなどがコラムとして紹介されている。一方、他社のスリープテック製品のように、眠りの質を高めるための「コーチング」や眠りの質に「スコア」を付けるといった機能はない。
その代わり、就寝時間になると「睡眠リマインダー」で通知したり、「就寝準備ショートカット」として音楽アプリや読書アプリを設定できたりと、決まった時間にリラックスして就寝するための機能を設けた。Appleはルーティーン(定型動作)の実践により、睡眠時間や質を確保する考えのようだ。
いつ充電すればいいのか問題
iPhoneの場合、枕元に置いていても目覚めたときにはベッドの下に落ちているなんてことも珍しくない。睡眠記録は、やはり手首に固定するApple Watchでこそ本領を発揮する機能だろう。
しかし、Apple Watchを身に着けて寝る場合、Apple Watchはいつ充電すれば良いのか。Appleによると、睡眠記録は「Apple Watchのバッテリーを極力消費しないように設計している」という。また就寝前後の時間にApple Watchのバッテリー残量を通知する機能を設ける考え。アラートを見て必要なら外出する時間まで充電するという運用になるだろう。筆者の場合は就寝前の1時間前後を充電に当てているが、不便は感じていない。
ただ、睡眠記録が加わったことで「よりバッテリーが長持ちするApple Watch」を求める声は高まるかもしれない。最新「Apple Watch Series 5」のバッテリー駆動時間は最長18時間。次世代のApple Watchの性能が気になるところだ。
またAppleはヘルスケアアプリに蓄積した睡眠データをサードパーティーが活用できるように「HealthKit」のフレームワークを拡充した。秋以降、新しいアプリやサービスが続々と登場するだろう。
睡眠の状態を記録する、いわゆるスリープトラッキングデバイスには、ヘッドギア型やパジャマのようなものなど、様々なスタイルの製品がある。筆者もいくつかの製品を試したが、やはり装着時の負担が少なく、正しく計測できるリストバンド型が“本命”だと思う。今後はwatchOSのアップデートに加え、新型Apple Watchへの期待も高まりそうだ。
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スマート家電の機能を使いこなせるようになれば、私たちの生活は豊かなものになるのだろうか? 実際の製品に可能な限り触れ、体験しながら、読者目線に立って攻略法を見つける新連載。執筆はAVライター山本敦氏。
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