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キヤノンの「EOS R6」は「EOS R5」とどう違う?荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/3 ページ)

» 2020年08月22日 07時10分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 前回、取り上げた「EOS R5」は「速い」「賢い」「ブレない」の三拍子そろった名機だった。いやもう「EOS 5D」シリーズの後継機として相応しいと思う完成度。一眼レフからミラーレス一眼への移行を一段と加速しそうだ。

丸みを帯びたボディの「EOS R6」。大きすぎず小さすぎず扱いやすいサイズ

 もちろん、完全に置き換えられるかどうかは分からないし(人によってカメラに求めるものは違う)、あらゆる意味で一眼レフを超えたかというともちろんそんなことはないけれど、EOS 5Dシリーズの一眼レフならでは得手不得手、EOS R5のミラーレス一眼ならではの得手不得手を比較したら、総合的にEOS R5が勝つと思う。

 でも、EOS R5はハイエンドモデル。高性能ではあるけど価格も50万円コースになる。そこで注目は30万円台で買える「EOS R6」。位置付け的には「EOS 6D」シリーズのミラーレス版だが、R5の優れた点を受け継いだ名機なのだ。

EOS R6にレンズキットの24-105mm F4-7.1を装着。レンズフードが付属しないのは残念だが、軽くて取り回しやすいレンズだ

R6はR5とどう違う?

 EOS R6の基本デザインはR5と同じ。フロントから見ただけだと、R6のパネルがないと判断に迷うくらいだ。

正面から見ると、機種名のパネルと上面のダイヤルでR5との区別が付く

 大きさはほぼ同じ。質量はEOS R6が約598gとR5より50gちょっと軽くなっている。ボディの質感もR5の方が少し高級感がある。

上がEOS R6、下がEOS R5。真上から見ると違いがはっきりと分かる

 EOS R5のレビューはすでに行っているので最初にR5とR6の違いをちょっと触れておきたい。

 操作系は同じだが、写真を見ると分かるとおり、R6は上部の情報表示パネルがなく、その代わり撮影モードダイヤルが付いている。R5は撮影モードを変えるのにMODEボタンを押しながらダイヤルを回す必要があったが、R6は撮影モードダイヤルを直接回せるので素早く変えられる。R6の方が便利かも。

上面から。上面のダイヤル類は情報表示パネルがない分、R6の方がシンプルに

 そこ以外の操作感は同じだ。

背面から。EOSならではのダイヤルを持ち、AF枠や操作はスティックで行う。推しやすい位置にあってよい

 次の違いはメディア。R6はSDカードのデュアルスロットになった。

 CFexpressのメリットは超高速な読み書きだが、そこまで速さを要求しないならSDカードのデュアルの方が便利だろう。

 使い勝手で差があるのはモニター類。EVFの解像度はR5の約576万ピクセルに対してR6は約369万ピクセル。でも369万あれば実用的には大した問題じゃなかろう。

 バリアングルの背面モニターも3.0型で約162万ピクセルとR5より若干落ちる。

 あとは中身。センサー周りだ。

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