米Appleは8月28日(現地時間)、警告通り米Epic GamesのiOSおよびmacOSのApp Storeアカウントを停止した。警告ではすべてのアカウントを停止するとしていたが、裁判所命令(リンク先はPDF)に従い、Epicのゲームエンジン「Unreal Engine」を管理する別アカウントは残した。米9TO5Macが同日、Appleのコメントを添えて報じた。
App Storeアカウントの停止により、既にアプリストアから削除されている「Fortnite(フォートナイト)」を含むすべてのEpic製品がアプリストアから消えた。ユーザーは、インストール済みのゲームはプレイできるが、アップデートやゲーム内コンテンツの購入はできなくなった。
Appleは13日、EpicがFortniteにApp Storeのガイドラインに違反する新機能を追加するアップデートを行ったため、このアプリをApp Storeから削除し、ガイドライン通りアプリを修正するための14日間の猶予を与えた。だが、Epicは同日中にこれを独禁法違反だとして提訴した。
Appleは一貫してEpicがガイドラインを順守すればアプリは復活させるし、アカウントの停止もしないと説明しているが、Epicはこれに応じず、ユーザーを巻き込むアンチAppleキャンペーンを展開している。
Appleは9TO5Macに送った声明文で「Epicのアカウントを終了しなければならなくなり、残念だ。われわれは長年、Epicのチームとゲームの立ち上げやリリースで協力してきた。裁判所はEpicに対し、係争中にApp Storeのガイドラインに準拠するよう勧めたが、Epicはこれを拒否し、ガイドラインに違反するFortniteのアップデートを何度も試みた。これはApp Storeのすべての開発者にとって不公平なことであり、ユーザーを争いに巻き込む行為だ。われわれはEpicと将来また協力できることを願っているが、残念ながら今は不可能だ」と語った。
この声明文についてEpicのティム・スウィーニーCEOは自身のTwitterアカウントで「Appleの声明は率直ではない。Epicのアカウントを停止する必要はなかったのに、停止することを選んだ。Appleはわれわれが何度もレビュープロセスをスパムしたと言うが、そうではない。3回アップデートを送ったが、その中の2つはバグ修正で、あと1つはメモをつけたシーズン4のアップデートだった」と語った。
ツイートに添付されているメモによると、「Appleが(フォートナイトの)シーズン4開始に間に合うようアプリを復活させたい場合のために」申請したとある。だが、Appleがガイドライン違反だとしている新機能はそのままだ。
Epic対Apple訴訟の初審理で判事は、Unreal Engineを締め出すのは「報復的な印象がある」として、Epic側に“傾いた”としていた。判事は同日中に、App Storeのアカウント停止は認めるが、Unreal Engineを管理するアカウント停止は認めない命令を下した。
Epic対Appleの訴訟(訴訟番号:4:20-cv-05640)の次の審理は9月28日午前9時半から、前回と同様Zoomで行われる予定だ。
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