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TikTokの米事業、Oracleが(買収ではなく)「テクノロジープロバイダーになる」と正式発表

» 2020年09月15日 07時13分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Oracleは9月14日(現地時間)、中国ByteDance傘下のTikTokの米国での事業の「テクノロジープロバイダーになる」と発表した。前日にはTikTokの買収交渉を進めていた米Microsoftが「ByteDanceに売却を断られた」と発表している。

 Oracleは声明文で、「Oracleは、Oracleが信頼できるテクノロジープロバイダーとしての役割を果たすというムニューシン財務長官の発言を認める。これは、ByteDanceが先週末に財務省に提示した提案の一部だ」と語った。

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 ムニューシン長官は同日、米CNBCの番組でのインタビューで、OracleとByteDanceとの提携契約について今週中に検討する予定だと語った。

 ムニューシン氏は「政府としては、(TikTokの)コードが安全であること、米国民のデータが安全であることを確認する必要がある。Oracleと数日をかけて話し合う予定だ」と語った。ドナルド・トランプ米大統領はTikTok事業買収の交渉期限を9月15日としていたが、20日に延期した。

 TikTokはCNBCに対し、財務省に提案したことを認め、「この提案により、TikTokを愛する1億人の(米国の)コミュニティと、TikTokで生計を立てている何十万もの中小企業やクリエイターのサポートを継続できる」という声明を送った。

 「信頼できるテクノロジープロバイダー」としての役割は具体的には示されていないが、ユーザーデータの管理をOracleが担うということとみられる。

 Facebookの元CSOでプライバシー活動家のアレックス・スタモス氏は「Oracleが(TikTokの)ソースコード抜きでホスティングだけを引き継ぐという契約は、TikTokに関する懸念に正しく対処できるものではない」とツイートした。

 ByteDanceは中国政府が8月末に発表した技術輸出に関する新たな規制に従い、TikTokの最大の特徴であるおすすめ動画のアルゴリズムを販売あるいは譲渡はしないと報じられている。

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