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» 2020年09月24日 11時04分 公開

「ビデオカメラ市場」はどこへ行くのか  ソニー、キヤノン退場で新製品なきまま消え去る? (1/2)

Vlog対応をうたうカメラは出てきても、いわゆるビデオカメラの新作は出てこない。この分野はいったいどうなっているのか。

[小寺信良,ITmedia]

 運動会などのイベントで、かつては欠かせないものだった「ビデオカメラ」。今はどうなのだろうか? この分野に詳しい小寺信良さんが解説する。


 日曜日は、子供が通う中学校の体育祭であった。コロナ感染を避けるため、各家庭からは保護者2名に限って観戦できることになった。そんなわけで例年であれば年下の弟妹であろう小学生が集まって隅で遊んでいる光景が目に付くところだが、この日はほとんど保護者しかいなかった。

 筆者は広報委員長として、フィールド内に入って自由に競技を撮影できる立場にあるが、毎年体育祭の時には個人的な調査をしている。名付けて、「ビデオカメラはまだ使われているか調査」である。埼玉では毎年調査してきたが、宮崎では初めての調査だ。

この記事について

この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2020年9月14日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから

 ビデオカメラ市場は2011年をピークに減少に転じた。コンパクトデジカメの苦境が伝えられだした1年前にからすでに市場崩壊が始まっていたとみられる。2017年にAV Watchが記事にしているが、GfK Japanの調査によれば、2012年から2016年までの間で売上は半減している。

 その後、4K化や高倍率化で市場を取り戻そうとしたが、ご存じのように量販店の店頭には、ビデオカメラコーナーはほぼないか、ひっそりと隅っこに数台展示してある状況となっている。ゼロにはなっていないが、減少は止まっていないというのが実情だ。

 今回保護者席をぐるっと一回りしながら、ビデオカメラ使用率を調べてみたが、各家庭から2名が来ているという想定からすると、使用率はおよそ5%といったところである。

 ビデオカメラ市場はソニーが1位と思われがちだが、地方に行けばまた事情が全然違ってくる。地方で強いのは、JVCだ。量販店での値引率が大きいことなどが考えられるが、調査した結果でもJVCのカメラが多かった。JVCのカメラは「広角ブーム」に乗っておらず、ワイド端は40mmスタートだが、光学ズームで40倍もあるので、2000mm近くまで撮影できる。運動会撮影には強い。これを写真でやったら大砲みたいな望遠レンズが必要なところだ。

photo JVCの比較的新しいモデル「Everio R GZ-RX690」。昨年夏発売である
photo 型番は分かりづらいが、ボディー形状からするとJVC「Everio GZ-E109」か。2017年発売
photo こちらはパナソニックの「HC-V360MS」と思われる。2016年発売

 新しめのカメラを探してみると、意外にもここ数年で新モデルを購入した家庭がまあまあある。やはり子供が大きくなるにつれ、サッカーや野球などの習い事が増え、親が遠くから見ているしかないシーンが増えるのだろう。

 一方で王者ソニーの利用者は、比較的古いモデルを大事に使い続けているようだ。ハイスペックなのでいまだに使えるという点もあるだろうが、高級機なので簡単に買い換えられないという事情もあるかもしれない。

photo レンズスペックから察すると、恐らくソニー「FDR-AX40」か。2016年発売の4Kモデル
photo これは珍品。DVD、内蔵メモリ、メモリースティックの3つに撮れる「ハイブリッド プラス」機、ソニー「HDR-UX20」。2008年発売
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