ITmedia NEWS >

Apple独自アーキテクチャの変遷 A6から最新A14までApple Siliconがやってくる(4/4 ページ)

» 2020年09月24日 15時29分 公開
[大原雄介ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

 ところで「それぞれの性能はどうか」という話を最後に。「何を使って評価するか」というのは非常に難しいのだが、一つの目安はGeekBench 5のスコアである。GeekBench 5のSingle Core性能の結果をまとめたのがグラフ1である。

photo グラフ1

 ただ、元の結果を見ていただくと分かるが、同じCPUを使う複数の製品が入っていたりするし、またそもそも動作周波数が違っているので、絶対性能の差は分かるものの、CPUコアの性能差は良くわからない。そこで、同じCPU同士はまとめて平均を取るとともに、1GHz当たりのGeekBench Scoreを表示するようにしたのがグラフ2である。

photo グラフ2

 なぜかA9Xではやや性能が下がっているが、基本的には破線の近似値が示すように、世代ごとに8.5%ほどのIPC改善が行われているのが分かる。X/Zシリーズを抜くとグラフ3のように、世代毎に16.3%近い性能改善になる。

photo グラフ3

 構造的な大きな飛躍は、6命令解釈・9命令発行のA8(Typhoon)と、6命令解釈・9命令発行のA11(Monsoon)で、後は細かな改良の積み重ねということになるが、そうした細かい積み重ねで平均世代あたり16%以上のIPC改善を成し遂げているあたり、AppleのCPU開発能力はIntelやAMD、IBMといったメーカーと同等レベルにあると考えてよいだろう。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.