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一緒に外出したくなる軽快カメラ、ニコン「Z 5」 価格は下げてもファインダーに妥協なし(2/4 ページ)

» 2020年09月29日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 背面モニターは104万ピクセルとZ 6/7の約半分に。要するにモニターのクオリティーは落としてきたのだ。

 でもEVFのクオリティーは維持。Z 6/7と同じく0.5型で約369万ピクセルのOLED(有機EL)を採用しているのだ。パネルのみならず、ファインダー内の光学系もしっかりしており、非常に大きくて見やすい。

このクラスのカメラとしては非常に大きくて四隅までしっかり見えている優秀なEVFだ。これは瞳検出が働いているところ

 背面モニターはコストダウンしてもEVFのクオリティーは落とさない、というのがファインダーを大事にするニコンの矜恃(きょうじ)なのである。これは素晴らしい。集中して撮るときはEVFの方が大事だ。

 続いてボディ内5軸手ブレ補正の搭載。これも上位モデルと同じ約5段の補正をしてくれる。これは大事だ。

正面から。大きなZマウントの奥にあるセンサーがシフトして手ブレを補正する。画素数は2432万画素

 キヤノンがEOS R5/6で「8段分の補正」を実現したので5段でも十分に実用的。もはや、ミラーレス一眼にボディ内手ブレ補正はスタンダードであるといって問題あるまい。

人間の瞳にも動物の瞳にも対応するAF

 だがしかし、イメージセンサーは変更された。

 画素数こそZ 6とほぼ同じだが、Z 6が裏面照射型だったのに対し、Z 5は従来型だ。

 でもまあ通常の撮影だとまったく気にしなくていい。さすが、フルサイズセンサーミラーレス機の写りで、階調も豊かだし色もしっかりしてるし、ボケもきれいだ。

 では実際に撮ってみたい。

 レンズはZ 5と同時に登場した沈胴式の薄くて軽いレンズ。24-50mmの広角系ズームでF4-6.3。ボディと合わせて約870と軽く、レンズを沈胴させると携帯性も高い。

 Z 6/7発表時は画質重視をアピールすべくクオリティーは高いけど少々重くて高価なレンズ(S-line)が中心だったが、ここにきて小型軽量レンズも登場し始めたのだ。

Z 5と24-50mmだとこれだけコンパクトで軽量。なおレンズフードは別売

 小型軽量だがF4.-6.3と開放F値を抑え気味にしたおかげか、クオリティーは高く周辺部の画質劣化も気にならない。日常スナップ用にすごくいい。大事なのは、撮りたいときにカメラが手元にあってすぐ取り出せることだからね。

広角端でいつものガスタンク。ディテールもしっかりしてるし、タンクのグラデーションも滑らか(24-50mm 24mm 1/500秒 F8 ISO100)

 こちらは室内で、絞り優先AEでかきごおり。かき氷を白く見せるべく+1の補正をかけてある。かき氷を目立たず手早く撮れるのは小型軽量レンズの良さだ。

ほわっとしたかき氷。自然光オートで。小さなレンズだがボケもきれいでハイライト部もしっかり残っている(24-50mm 46mm 1/50秒 F6 +1 ISO560)

 このかき氷は室内ながら昼間の窓の近くの席だったのでAWBは「自然光オート」にしている。

ホワイトバランスは「オート」のバリエーションが豊富。自然光オートが特によい

 実はAWBだけでも、オートでAUTO0から2(白を優先する、雰囲気を残す、電球色を残す)、さらに屋外に向いた自然光オートの合計4つがあり、使い分けることができるのだ。

 室内など色温度が低い場所や日陰など色温度が高い場所以外は自然光オートにしておくとナチュラルな写りを楽しめる。

 AFは像面位相差AFで測距点は273点とZ 6と同じ。AFポイントはサブセレクタで動かせるほか、タッチAFも使える(ただし背面モニター使用時のみ。ファインダーをのぞきながらのタッチAFは未対応)。

 もちろん、Z 6/7のファームウェア2.0で対応した瞳AF、3.0で対応した動物瞳AFも対応している。

瞳検出でローアングルの広角スナップ。発色が自然でよい(24-50mm 24mm 1/400秒 F4 ISO100)

 35mmF1.8を装着し、室内で自然光オート。

やや赤みが強いのは自然光オートで撮っているため(35mm 1/100秒 F1.8 ISO100)

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