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Facebook、「ホロコーストはなかった」投稿を削除するポリシー更新

» 2020年10月13日 09時36分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Facebookは10月12日(現地時間)、ヘイトスピーチに関するポリシーを更新し、ホロコーストを否定または歪曲するコンテンツを禁止すると発表した。日本語のポリシーは本稿執筆現在まだ更新されていないが、英語版では禁止対象のヘイトスピーチ一覧に「ホロコーストを否定または歪曲する投稿」が加わった。

 holocaust 更新されたポリシー(英語版)

 ホロコーストは、1930年代からナチスドイツが行ったユダヤ人の大量虐殺を指す。600万人に上るユダヤ人が虐殺された。Facebookにはしばしばこのホロコーストはなかったあるいはそれほど大規模ではなかったとする投稿が行われており、米国最大のユダヤ人団体ADL(名誉毀損防止同盟)などが2011年からこうした投稿の規制をFacebookに求めてきた。

 Facebookによると、18〜39歳の米国人を対象とした最近の調査で、ほぼ4分の1がホロコーストは作り話か、誇張されたものであると回答したという。

 投稿を削除する他、ユーザーがホロコースト関連の用語をプラットフォーム上で検索すると、信頼できる情報へのリンクを表示する。

 自らもユダヤ人であるマーク・ザッカーバーグCEOは自身のFacebook投稿で「表現の自由を支持することと、ホロコーストを否定することによって引き起こされる害との間の緊張に苦しんでいる。(中略)受け入れられる投稿とそうでない投稿の間に線を引くのは難しいが、現状ではこれが正しいバランスだと信じる」と語った。

 Facebookは、ポリシーの施行のためにはレビュー担当者のトレーニングなどが必要で、時間がかかるとしている。

 ADLは同日、公式ブログで、Facebookがようやくこの決定をしたのは、ADLやStop Hate for Profitキャンペーンなどの圧力の成果だとし、何にせよ「われわれは10年近くにわたって求めてきたことに対する一歩を踏み出したことに安心した」と語った。

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