山口市にある日帰り温泉「おんせんの森」のリラックスルーム(休憩室)に置いてあった漫画「鬼滅の刃」1〜20巻が無断で持ち出され、おんせんの森がTwitterで「元に戻してほしい」と呼び掛けて話題になっていた件で、持ち出された全巻が返送されてきたと、同施設がこのほど発表した。
添えられた手紙には「読み終えたら返そうと思っていたが大事になっており怖くて返せなかった」と書かれていたという。施設側は、返送した人の勇気をたたえ、その人を中傷しないよう呼び掛けている。
同施設から「鬼滅の刃」全巻がなくなっていたことが分かったのは9月25日。施設がTwitterで、「誰かが道を踏み外しそうになったら 皆で止めような」という伊之助のセリフとともに、「コソッと元に戻してほしい」「警察には言わず、SNSの力でその人を止めてあげたい」と投稿したところ、4万人以上にRTされ、テレビ番組で取り上げられるなど大きな話題になった。
施設にはその後、全国から「鬼滅の刃」が190冊届いた他、応援の手紙やイラストも届いたという。
10月13日になって、鬼滅の刃を持ち出した本人から、「ゆうパック」で全巻送り返されてきたいう。添えられた手紙には、反省の弁と「読み終えたら返そうと思っていたが大事になっており怖くて返せなかった」などと書かれていた。
同施設は、「自分の行動に対してたくさんの厳しい意見が寄せられる中、大きな勇気をもって返してくれました」と称賛。
さらに、「SNSは『無限の可能性があること』『時として人を傷つける刃となること』に後者に関しては、今回の件で私自身、身をもって経験をしました。私の言動に対しても様々なご意見をいただきました。そのなかにあった誹謗中傷で日に日に精神が削られているのを感じました。きっと、ご本人も同じ想いをしたことと思います。つらい想いをさせました」と述べ、鬼滅の刃を持ち出した人を「誹謗中傷しないでほしい」と呼び掛けている。
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