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AIがルート・ダイヤを自動生成する通勤バス登場 社員の要望に合わせて運行 経路は1万通り

» 2020年10月22日 15時40分 公開
[ITmedia]

 内視鏡などを開発する会津オリンパス(福島県会津若松市)は10月27日に、AIが通勤バスの運行ルートとダイヤを自動生成するシステムを導入する。従業員が専用アプリに、希望する配車時間、乗車場所、目的地を入力すると、AIがその内容を分析。1万通り以上の組み合わせの中から最適な経路と発車時間を算出する。その結果に従って中型の通勤バスを運行し、従業員の通勤を効率化する。

photo 使用する通勤バスのイメージ

 このシステムに対応する通勤バスは、会津オリンパスの従業員のみが利用できる。当面は30人の従業員に提供し、追って人数を拡大する。バスは2台体制で、午前7〜8時台と午後6〜8時台に運行する。中型バスがこの仕組みを用いて商用運行するのは国内初という。

 専用アプリは地図機能も搭載し、運行時間中は車両の現在位置などを表示する。ルートを算出する際、従業員は地図の中から、会津若松市内にある既存のバス停(309カ所)と独自に設ける「バーチャルバス停」(147カ所)を乗降場所に選べる。

photo 専用アプリの画面イメージ

 バーチャルバス停は、一般客は利用できない通勤専用のバス停。標柱はなく、専用アプリの地図のみに位置情報を表示する。経路によっては、従業員の自宅近くに立ち寄ることも可能としている。

 通勤バスの運行などは、交通事業者のみちのりホールディングスと会津乗合自動車が担当する。ルート・ダイヤを自動生成するAIは、運行システムの開発を手掛ける、米Via Transportationと日本法人のVia Japanが提供する。

 会津乗合自動車とVia Japanは今後、このシステムを使った輸送サービスを他のエリアにも拡大する計画だ。

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