「電車の乗車率が変わっても、車内の換気量はあまり変化しない」――。鉄道技術の研究を行う鉄道総合技術研究所(鉄道総研)がこのほど、このようなシミュレーション結果を発表した。
シミュレーションには、独自に開発した「空気流シミュレータ」を使用。時速70kmで走行する車両で、6カ所の窓を10cm程度開けたと想定し、実験を行った。その結果、乗車率0%、50%、100%の車内の換気状況を比較したところ、乗車率が高くなるほど車内の空気体積が減り、車内の空気が入れ替わる回数は多くなると判明。一方、換気量の差はわずかであることが分かったという。
例えば、乗車率0%では1回の換気に5.3分かかり、換気量は毎秒0.36m3だったのに対し、50%では4.8分で毎秒0.35m3、100%では4.5分で毎秒0.34m3だったとしている。
同じ条件で、空調装置の換気への影響もシミュレーションした。その結果、換気量への変化に大きな変化は見られなかったものの、空調を使わない場合は5分から6分で車内が換気されるのに対し、空調を使うと2分から3分で換気されることが判明したという。
鉄道総研は今後、立った状態の乗客の頭の高さが空気の流れにどう影響するかなどを詳細に分析する方針。
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