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Apple Silicon Mac登場の日に「CPUを変えたMac」を回想する立ちどまるよふりむくよ(2/2 ページ)

» 2020年11月11日 04時00分 公開
[松尾公也ITmedia]
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今は亡き2人が盟約を結んだ:2006年のIntel Mac

 沈み行く船だったAppleが1997年にNeXTを買収し、一緒についてきたスティーブ・ジョブズにより乗っ取られてしまった後も長い間、PowerPC時代は続いた。NeXTは最初こそ68000シリーズをベースにしたワークステーションだったが、後半はIntelベースのPC互換機で動いており、Mac OS XのベースであるRhapsodyも最初はIntel版があった。だから、Intelに進むのはある意味自然なことだった。

 実際にはそれよりさらに深い話があるのだが、この辺りは林信行さんが2005年にITmedia NEWSに寄稿してくれた前後編からなる記事がとても面白いのでぜひお読みいただきたい。

 前編では、68000シリーズからPowerPCへのシフトに大きく寄与したのが、Appleのエンジニアが開発した、PowerPCによる68000エミュレーション技術だったことが書かれている。

 Intel Mac登場の時期は、自分は別部署にいてこの分野の記事を書いていなかったので、mixi日記や、社内ブログに書いた感想文で、その頃の雰囲気をお伝えしよう

基調講演のあいだ、チャットでやり取りしていた本田(雅一)さんの解説記事に、IntelのロードマップとAppleのIntel移行戦略の関係がうまくまとめられています。(2005年6月8日のmixi日記より)

iMacの“i”はintelの愛(オルタナティブ・ブログ:CloseBox & OpenPod 2006年1月)

 オッテリーニCEOによるバニーメンコスプレには、Appleに対する愛が感じられたのではないでしょうか。というわけで、Intel Core Duo搭載マシンはiMacとMacBook Proとなったわけですが、みなさんはどのマシンに決めました?

photo バニーメンのコスプレをして登場したIntelのポール・オッテリーニCEO

 MacBook Proは(2006年)2月出荷なので、ちょっと待つ必要があります。「It is available, TODAY!」と言ってほしかった……。iLife '06を一番早く手に入れる目的のためだけにiMacを買う、そんな人もいるみたいです。

 ノートについては、12インチが出たら考える、という日本のユーザーは多いのではないでしょうか。

 自分としての優先順位は、

Mac mini>iBook 12">MacBook Pro 12">iMac 17">PowerBook Pro 15">iMac 20">PowerBook Pro 17"

だったのです。小川さんと同じく、思いっきりあてがはずれてしまいました。それでも必要なものは必要なので、家族会議の結果、うちはMacBook Pro 15"でいくことに。

 現在のノートマシンはPowerBook G4の500MHz。既にスロットインローディングの入り口は壊れてメディアが差し込めなくなっており、サーバとして使われている状態です。そろそろ取っ換え時なので、現行機より4倍速いという、シャア専用の上を行くマシンになりました。2Gメモリと120GバイトHDDを積みましたよ。あと5年もたせるために……。

 MacがPowerPCからIntelへと大きく舵を切ったときの立役者、Intelのポール・オッテリーニCEOは2017年10月に死去。Intelとの盟約を結んだスティーブ・ジョブズもこの世にはいない。ディランではないが、時代は変る。

 WikipediaにあるTimeline of Macintosh modelsを見ると、なかなかグッとくるものがある。

photo Wikipedia “Timeline of Macintosh models”より

 ここに今回発表された新しい色の、新しい製品ラインが刻まれ、そのラインは伸びていくのだろう。

「君が使ってるMacのCPUは何?」

「68」

「40」

「601」

「G3」

「G4」

「Pentium」

「Core i7」

「シーピーユーって何?」

「質問を変えるね。君が使ってるMacのチップはいくつ?」

「M1」

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