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改めて比較する、ぬるいiPhone 12とドキドキしないPixel 5(2/3 ページ)

» 2020年11月17日 07時35分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

 GPUについてはアーキテクチャが違うので、Geekbench 5での比較は難しい。そこで、グラフィックス面のマルチプラットフォーム・ベンチマークソフトである「3D Mark Wild Life」を使って試してみた。だが、こちらもちょっと比較にならないくらいのデータになっている。

photo 「3D Mark Wild Life」。より実践的なグラフィックス描画のマルチプラットフォーム・ベンチマークテスト
photo iPhone 12のベンチマーク結果
photo Pixel 5のベンチマーク結果

 この差はなぜなのか? 要は、Pixel 5の採用したSnapdragon 765Gが、そこまで高い性能を持っていないからだ。

 3D Mark Wild Lifeの値で比較した場合、Pixel 5は1100前後であったのに対し、前モデルの「Pixel 4」は3020前後と、かなり性能が違う。前モデルであるPixel 4はSnapdragon 855を採用しており、実はプロセッサの性能的にはPixel 5より上なのだ。

 ちなみに、iPhone 11 Pro Maxでの値は「6829」、iPhone 12の値が「8727」なので、こちらは1年で大幅に進化していることになる。

 そもそもiPhoneが使うプロセッサである「Aシリーズ」は同時期の他社スマートフォン向けプロセッサに比べ性能が高い傾向にあるのだが、2018年の「A12」あたりから、特にGPU性能の評価が高い。それが反映されているのだろう。

 ちなみに、3D Mark Wild Lifeの最高値は「13万」で、文字通り桁が違う。米NVIDIAの最新GPU+米Intelの最新CPUの組み合わせでの値だが、あちらは価格も消費電力も桁違いなので、比べるのが難しい。……とはいえ、Apple Silicon MacでAppleが本当に「自社GPUで戦う」なら、この値に少しでも近い能力を、自社製GPUで出す必要が出てくるのだが、それはまた別の話である。

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