Web会議ツールなどを手掛けるブイキューブは11月18日、2022年度の売上高を20年度から倍にする経営計画を発表した。同社の間下直晃社長は「Afterコロナのコミュニケーションは、リアルな場とオンラインを組み合わせたハイブリッド型が主流になる」との見方を示し、今後はハイブリッド型のイベント開催サービスに注力していくと明らかにした。
リアルとオンラインを併用するコミュニケーションを見据え、ブイキューブは就職説明会や株主総会などのオンライン開催を支援するサービスに注力する。コロナ禍でリリースした「ハイブリッド型バーチャル株主総会」は、企業がリアル会場で株主総会を開催し、Webなどで株主が株主総会を視聴できるサービス。議決権行使や質問、動議の提出などをカスタマイズできる機能も備える。
このようなイベントは会場に人を集めて開催するのが一般的だが、「コロナ禍によってオンライン化が加速している」と間下社長は話す。オンラインは会場費や人件費の負担が少なく、参加できる人数制限が物理的な会場より緩和されるという。
しかし、コミュニケーションが主催者からの一方向になりやすく、参加者の反応を把握しにくいといったデメリットも見えてきた。
ブイキューブは、イベントの主催者と参加者がオンライン上で連絡先を交換できる「EventIn」(イベントイン)を11月にリリースするなど、オンラインでもリアルのイベントのような取り組みを行えるサービスを打ち出す。
今後も同社は、リアルとオンラインを併用したイベントの需要は増えると予想。19年度は約2500回だったイベントの開催が22年度は2万回を超えると見越し、関連事業を展開する「イベントDX事業」の売上高は、22年度には81億円(19年度実績は12億円)に到達するとしている。
個室型のワークスペース「テレキューブ」の設置などを手掛ける「サードプレイスDX事業」も強化する。これまでは首都圏の企業やJR東日本のターミナル駅などへの導入が中心だったが、愛知県や茨城県などを足掛かりに地方への設置を増やす。19年度の実績は5億円だった売上高は、22年度には19億円を目指すとしている。
主力のWeb会議ツールなどを展開する「エンタープライズDX事業」でも売上高の増加を見越し、企業全体で高い成長目標を掲げる。20年度の売上高は79億円、営業利益が9億円、純利益が10億円を見込むのに対し、21年度は売上高115億円(営業利益20億円、純利益14億円)、22年度はさらに売上高153億円(営業利益35億円、純利益27億円)と増収増益を目指す。
計画の実現に向け、今後はローカル5Gを導入した製造現場などでスマートグラスを活用したサービスを提供する他、AIやドローンを活用したサービス展開も検討を進める。オンラインイベントで主催企業が取得した顧客データを活用した、マーケティングサービスについてもどのようなサポートができるか検討するという。間下社長は「顧客のニーズに対応しながら、日本ナンバーワン、アジアナンバーワンのポジションを獲れるようにしたい」と意気込みを語った。
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