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無制限ではなくなるGoogleフォト、「生涯の思い出のため」にできることを考えてみたGoogleさん(2/3 ページ)

» 2020年11月23日 08時38分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 私は、記事を書くためにスマートフォンの画面のスクリーンショットをばんばん撮って、その都度削除するのは面倒なのでそのままにしています(Pixelくんにたまに「アーカイブしますか?」ときかれても、後でやろうっと、とそのままに)。先日は実家の整理で大量の家族の写真アルバムを処分することになり、さすがに全部は残せませんが、かなりの枚数の写真をフォトスキャンでGoogleフォトにバックアップしました。家の近所を散歩していて、空き家が壊されて新しい家になる過程を「Scrap and Build」アルバムに記録していくのも趣味です。

 old フォトスキャンした写真は「old photos」アルバムに入れ、オリジナルはすべて処分してしまいました。母がつけてくれたキャプションも残せるのがフォトスキャンのいいところ

 写真だけならかわいいものですが、コロナ禍で急増中のウェビナーの動画などをバックアップしている人もいるのでは。

 Googleさんも、データ量が膨大になることは、それなりに覚悟していたとは思います。でも、たぶん、ユーザーが予想を上回るスピードと量でコンテンツ(いちいち写真と動画、というのが面倒なのでここからはこう言います)をアップロードするので、「このままじゃ数年後にはデータセンターやばくね?」ということになったんでしょう。これは記事ではなくコラムなので想像で書いちゃいますが、GoogleのAIが「このペースで行くと○年後にはうちでサポートできる量を超えると思う」と警告したんじゃないかな。

 11月11日の公式ブログによると、現在4兆枚以上の写真がGoogleフォトに保存されており、毎週280億点の新しいコンテンツがアップロードされているそうです。つまり、1年で1兆4560億点。アニルさんが2015年に語った世界中の人が1年で撮影するコンテンツがすべてGoogleフォトにバックアップされているようなものです。

 無制限終了に対し、「最初に無制限と言っておきながら、あとからはしごを外すようなことをするなんてEvilだ」という声もあります。でもEvilというより、予測が甘かったんじゃないかなぁと思います。頭のいいGoogleさんでも、人の心の動きを理解するのは苦手かも。無制限にしたら、人がここまで何も考えずになんでもかんでもバックアップするとは予想できなかったんじゃないかな。

 だから、無制限終了の目的は、金儲けではなく、人の心にブレーキをかけることだと思います。

 無制限じゃなくなれば、人間だもの、たとえわずか月に250円でも有料にならないよう、コンテンツをバックアップするときにちょっと考えるようになるでしょう。

 これまでも、Googleから「Googleドライブの上限をもうすぐ超えますよ」と警告が出てはじめてGmailから不要なメールを削除したことのある人は多いのでは? 私はそうでした。それが面倒になってやっと、今はGoogle Oneの月額250円で100GBプランにしてます。

 Googleさんもこの変更がユーザーに与える打撃はさすがに予想していたので、発表から実施までに半年以上の猶予を設けました。なるべく有料プランに移行しなくて済むように、何も考えずにバックアップした不要なファイルを、この期間に整理してもらおうということです。

 なお、来年の6月30日までにバックアップしたコンテンツはカウントしません。(これを知って「いまのうちに」と思う人がたくさんいそうですが、その分のゆとりくらいは用意しているでしょう。)

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