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コロナ禍、M1 Mac──2020年、自分の仕事環境がどう変化したのか振り返り、2021年を予測してみる(1/3 ページ)

» 2020年12月03日 07時00分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

 2020年の機材更新が終わって、ここから1年の仕事機器がおおむね確定した。そこで、今回は今の仕事機器がどうなったのか、ちょっとまとめてみようと思う。

この記事について

この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2020年11月30日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから

2019年までの仕事環境は……

 2019年から2020年前半までで、西田の仕事機器の使い方はけっこう変わった。

 西田は複数のプラットフォームを評価するので、特定のOSだけを使うことはしないようにしている。メインは固定している、という同業者も多いのだが、西田の場合にはあえて固定しない判断をしている。

 1年前、西田のメイン機材は「MacBook Air」(2019年モデル)と「Surface Laptop 3」(15インチモデル)だった。どっちが快適か? と聞かれるとなかなか困る。性能はRyzenベースのSurface Laptop 3だが、発熱やファンの音の大きさなどの面ではマイナスだった。だから、ぶっちゃけ「どっちでもいい」と思っていた。

photo Surface Laptop 3

 VRをテストしたり動画編集をするには、結局MacBook AirでもSurface Laptop 3でも性能が足りない。なので、サブのゲーミングPC(CPUはCore i7、GPUはNVIDIA GTX1080)を使うことが多かった。ただ、動画編集の場合、iPad Pro(2018年モデル、11インチ)でAdobe Premiere Rushを使った方が速い……というのが分かっていた。

photo iPad用Adobe Premiere Rush

 Premiere Proで4K・HDRでしっかり編集するとゲーミングPCの方が良いのだが、西田の場合、数分までの記事の補足用動画がほとんどなので、ゲーミングPCに戻って作業をするより、機動性の高いiPad Proの方がいいのが分かっていた。実際、動画書き出しも、すでにこの時点でメインのPCよりもiPad Proの方がスピードが速かった。

 この頃はコロナ禍など思いもよらなかったので、「PC(Mac)とiPad Proを持ち歩くと全ての仕事ができる」のが快適だった。両方持っているとまあ重いのだが、これ+カメラ+スマートフォンさえあればどこにいようがどこに行こうが仕事ができる……というのが基本だった。

 実は、今も使っている機材のベースは変わらない。デスクトップで仕事をすることはほぼなく、やっぱりノート型で書いている。あまりマルチディスプレイにこだわりがない(資料を見るときに別の画面が欲しいときもあるが、集中するために全画面表示でWordを使うのが基本)ので、これで良いと思っている。

 取材中は録音やカメラや通信が必要な場合が多いのでiPad Proを使うことが多かった。

 「iPadは変換効率が悪い」「キーボードの対応が悪い」と言われ、「何でそんなので取材してるの」的に言われることもあったのだが、「別にいいじゃん」というのが本音だ。

 過去にはATOKじゃないと原稿が書けないと思うくらい変換効率にこだわりがあったのだが、実は今はあんまり気にならなくなった。その辺は以前に書いたこともあるし長い話になるので省くが、「変換効率よりもタイプから入力までのレイテンシの短さの方が重要ではないか」という気持ちになってきたからでもある。入力遅延は単純にマシンパワーに依存しているわけではなく、OSの違いにも依存する。

 iPadOSは日本語入力ソフトの切り替えに柔軟性がなく、機能的にも簡素である一方、入力のレイテンシが短いように思えた。OSのバージョンによって結構異なるので「Appleがそこを強く意図しているわけではない」のだと思うのだが、とにかく、iPadOSで文章を書くのは、特に2019年以降かなり快適になっていった印象があった。

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