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hontoにあった怖い話 「サービス誤登録削除を依頼したら当方のメアド変更を提案される」の巻CloseBox(1/2 ページ)

» 2020年12月14日 12時00分 公開
[松尾公也ITmedia]

 自分のメールボックスに宛先を間違えたメッセージが大量に届くが、それを防ぐ術がない。今回はそんなお話です。


 Gmailなどの一般的なメールサービスをかなり初期から使っているユーザーは多く経験していることだと思うのだが、スパムが多い。ただのスパムならばスパムフィルターで防げるのだが、やっかいなのが、他人が自分のメールアドレスを誤って登録し、その登録サービスから大量のメルマガやお知らせが届く場合だ。その対策はサービスによって異なり、多くの場合、メールクライアント側でスパムとしてはじく処理をしても効果がない。今回はその1つの例について語りたい。

 筆者がGmailで使っているのは自分の名前に由来する短いメールアドレスだ。iCloudやHotmailなどのアカウントも持っているが、自分が希望したものではないメールが段違いに多く届くのが、Gmailのアカウントである。筆者のアカウントには、自分のアカウントだと勘違いした大学教授、自衛隊、マスコミ関係者、就職活動をしている大学生、もしくはその人のアカウントだと勘違いしたその友人や関係者から、重要と思われるメールや打ち合わせの案内、巨大プロジェクト入札の見積書、クレジットカードの請求額案内や個人的な写真などが届く。

photo これらは全て間違いメールだ

 それがその人の人生に関わるようなものであれば、間違いですよと知らせることもある。就職のためのエントリーシートをたくさん登録しまくっていた大学生のは、メールの文面から大学と学部を推測し、大学の学生課にメールして知らせたのだが、基本的には放置する。そのうち止むからだ。下手に返事をすると、必ず削除してください、削除したかどうか確認のメールをくださいと余計なことを言われる。教えたからといってお礼を言われることはほとんどないので、無視するに限る。

 多くのネットサービスは、開始時にメールアドレスを登録させる。フォームに入れさせたメールアドレスに対してアクティベートするためのワンタイムURLを送り、そのアカウントが登録者本人であることを確認して、本登録となる。まっとうなネットサービスはそうやっているのだが、そうでないところも多い。そういう雑なシステムだと、適当なメールアドレスを入れさえすれば、本人確認もなしにそのサービスを使い放題となる。ログインしている誰かさんはそのサービスを享受していて、そのメールアドレス所有者のところにはたくさんの「スパム」が届くというわけだ。正確にはスパムではないが、スパムのように、本人が意図しないサービスからのメールが届くことになる。

 一番ひどかったのは、中古車の見積もり一括登録サービスに自分のメールアドレスを使われてしまったときで、ここに登録されてしまうと数十もの中古車ディーラーからメールが届くことになり、個別に登録を解除していかなければならなかった。それでもしばらくすると自然に収まったので、一過性のものだったのが幸いだった。

 これまではそれが最悪の例だったのだが、それを上回るものが出てきたので、その事例と対策をここで紹介しておきたい。

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