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hontoにあった怖い話 「サービス誤登録削除を依頼したら当方のメアド変更を提案される」の巻CloseBox(2/2 ページ)

» 2020年12月14日 12時00分 公開
[松尾公也ITmedia]
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hontoの話をしよう

 「honto」という電子書籍サービスがある。大日本印刷が運営する、日本では大手の1つだ。ここは上記で挙げたようなメール認証をせずに、いきなり本サービスの登録ができてしまう雑な作りになっている。

photo 大日本印刷が運営する電子書籍サービス「honto」

 hontoで自分のアカウントが誤登録されたのはこれが2回目だ。最初はGmailではなく、iCloudメールだった。このときも解除に苦労したのだが、また同じことが起きている。当時どうやっていたのか完全に忘れてしまったのでもう一度、問い合わせ先を探すところから始めた。

 この手のサービスでは、一発で誤登録を解除できるリンクを用意しているところもあるのだが、hontoはそうではない。本当に登録してパスワードや会員IDを持っているリアルユーザーでないと登録を解除できない仕組みになっている。hontoの場合は、解除するには生年月日やパスワードが必要だ。他人の生年月日とか知るわけない。クラッカーではないのでパスワードでブルートフォースアタックをかけるわけにもいかない。問い合わせは、まず会員ページに行く必要があるのだが、当然ながらそこには行けない。

photo 退会は会員ページに行かないとできない
photo パスワードの変更は、会員でないとできない

 問題を報告するフォームが見つからないので、奥の手を使った。実はhontoには別のアカウントで登録してある。知人の本を買うために加入して、1冊だけ購入した、登録ユーザーなのだ。その会員ページからは、問題を説明する文章を送れるので、そこから送った。それしか方法がなかったのだ。

 問い合わせたところ、まずこちらのメールが正しいのか返事をくれという。当然だ。リプライすると、ご連絡者様(筆者)からの返信を確認したので、退会手続きを進めるとの返事がきた。ちゃんとメールの存在確認をしているところが素晴らしいが、そういうのはまず登録時にやっておくれ。そうすればそもそもこういう問題は起きないのだ。で、「同じアドレスで登録されないようにしてくれ」というこちらからの要請については、「弊社では対策ができない」そうで、「推測されにくいようメールアドレスの文字数を増やすこと」を逆提案された。

 これはすごい。

 このアドレスでまた誤登録されるのが嫌なら、こちらのメールアドレスを変えろ、という嘘のようなhontoの提案を受けたのである。

 大会社から要請されたらメールアドレスを変えるのが最近の常識なのかもしれないが、当然ながらそれはできない相談なので、別の手段を取ることにした。誤登録されたアカウントで登録しておくのである。そうすれば使われることもない。こういうの、攻性防壁っていうんでしたっけ。多分違う。

 そういえば、以前削除依頼したiCloudの方のアカウントはどうだろう。メールアーカイブを調べてみると、いったん削除したはずのメールDMが復活しているではないか。宛先を見てみると、以前誤登録していた名前と一致する。ということは、削除させた後で、また同じおばかさんが登録していたのか。ヤレヤレだぜ。hontoサポートさんのおっしゃる通り、「弊社では対策ができない」というのはhontoらしい。

 そこで、このアカウントでも再度削除を依頼した。これも推測されやすいメールアドレスにした自分のせいなのか? 削除されたら即、自分でこのメールアドレスを確保するつもりだ。これで、筆者が登録したこのアカウントは3つになる。担当者は会員が増えたと喜ばないでほしい。全ては雑な登録システムのせいなのだ。そしてその雑なシステムのしわ寄せは、ユーザーと、非ユーザーと、サポートの人たちに降りかかっている。

 例えば、あなたのメールアドレスをhonto会員として登録したら、たくさんのお薦めメルマガが送られてくるのである。それを解除する方法はない。サポートに連絡をつけて解除させても、またやられる。メールアドレスを変えるしか防ぐ方法はない。

 hontoにあるんですよ、こんな怖い話が。

photo 本当にあった怖い話

※午後5時54分追記:iCloudのアカウントについて解除が完了したというメールをhontoサポート担当の方からもらった。筆者のアカウントを3年間も使っていた誰かさんとサポートの方に幸あれと祈った後で、速攻で自分のiCloudアカウントで登録し、メルマガのチェックを外したのは言うまでもない。これでhontoのアカウントを3つも所有するヘビーユーザーとなれたことを誇りに思う。

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