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M1 Mac、まさかの敗北 Apple純正Logic ProでIntel Macに勝てないとはiOS音楽アプリプロデューサーがM1 Macを使ってみたら(1/2 ページ)

» 2021年01月02日 08時14分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

 M1 Macと音楽系クリエイティブワーク周辺の話題を紹介する連載の第3回目は、Apple純正のDAWである「Logic Pro」のパフォーマンスをIntel MacとM1 Macで比較した。筆者のApple Siliconマシンは、Mac miniの8GBメモリ、256GB SSDという最安値構成モデルだ。

 正直な話、今筆者は混乱している。前回の「最安M1 Mac mini、まだApple Silicon最適化されていないPro Toolsの性能に脱帽」では、「Pro Tools」(Rosetta 2で動作)における驚異的なパフォーマンスをご紹介した。

 であるなら、Apple純正のDAWで、かつUniversal化されているLogic Proであれば、さらにその上を行く凄まじいばかりの性能を示してくれるものと期待していた。しかし、結果は期待を大きく裏切るものだった。M1 Macが負けてしまったのだ。最初のテストでは、Intel Macが圧勝した。

photo Logic Proを比較した対決では、Intel Macが勝利した

意外に健闘したIntel Mac

 リバーブプラグインを個別に設定したトラックを増やしていき、何トラックまで再生が可能かというテストを実施した。通常、リバーブプラグインは、オグジュアリトラックに刺し、負荷軽減のため、各トラックからセンドで信号を送る。ここでは負荷をかけることだけを目的にした、テストのためのテストであることをご了解いただきたい。リアルな音楽制作活動下でのパフォーマンス判定に直結するものではない。

 以下は、今回のテスト環境だ。

  • M1 Mac mini(Apple M1チップ、8GBユニファイドメモリ、256GB SSDストレージ)
  • Intel MacBook Pro 2020 (2.0GHzクアッドコアIntel Core i5プロセッサ、32GBメモリ、500GB SSDストレージ)
  • Logic Pro 10.6.1

 最初にIntel MacBook Pro 2020でLogic Proを起動し、192KHz/24bitのPCMファイルを読み込んだトラックに、Apple純正のリバーブプラグイン「Space Designer」を設定した。このトラックを1つずつ増やしては再生を繰り返すことで再生可能なトラック数を探り出した。このときのI/Oバッファサイズの設定は「1024」。そして「マルチスレッド処理」の設定は「トラックを再生」にしている。その他の設定は、デフォルトのまま。

photo Intel MacBook Pro 2020とLogic Proでは、37〜39トラックまで再生が可能だった

 30トラック前後までは、何事もなく普通に再生が可能だった。しかし、35トラック辺りからファンの音が気になり始め、そのまま再生を続けると次第に回転数が上がる。そして、37〜39トラック辺りで「システムが過負荷です」アラートが出て再生がストップ。

 トラック数を増減させて何度か試したが、概ね37〜39トラック辺りが鬼門のようで、この辺りのトラック数で再生不可になる。Intel MacBook Proは、意外にも健闘したな、というのが素直な感想だった。ただ、ファンの高速回転による大きな音は気になった。

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