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「子供がゲームより夢中になる」──PFNの教材を使ったプログラミング教室の魅力を探る(2/2 ページ)

» 2021年01月07日 16時00分 公開
[迎悟ITmedia]
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授業の始めにはPFNの専用アプリでタイピング練習

 小中学生を対象としたプログラミング教育やプログラミング教室と聞くと、それこそ教材を使ってあるプログラミングを組ませてみて「動いた」「動かない」を見るだけのものを想像してしまう。

 同教室では授業の開始時、まずはPlaygramのタイピングアプリにタイピング練習からスタートする。このタイピング練習についても小中学生が楽しんで取り組めるよう、今時の流行語が出題されたり、プログラミング用語も出題されるなど、Playgramの進行度に応じて入力機会の増える語句にも慣れていけるような工夫がなされている。

解いた問題数などでレーティングもある

 タイピング練習の後にPlaygram本体を使ったプログラミングの課題がスタートすると、教室内は一気に騒がしくなった。

 課題の進行度は子供によって差があるのだが、進んでる子であれば大人でも一見難しい課題をどんどん進めていく。

 指定時間内にどれだけステージをクリアできるか、スタートからゴールまでの指示をどれだけシンプルに実装できたかでクリア時の評価が変わるのだが、これを子供同士で競い合うのだ。

問題を子供同士で教え合う光景も

 もちろん競争だけではない。うまくいかない他の子に対し、進んでいる子は手を差し伸べて「こうやった方がいいよ」と講師の代わりに手助けをする様子も見られた。

 自由にステージを作成するモードなどもPlaygramには用意されていて、講師も驚くようなギミックをPlaygram内に作成する子供もいる。

 自由に作成した成果物についても「どうやって作ったのか」を発表するのだが、プログラミング教育の目的である論理的思考の育成の効果なのか、小学生とは思えぬほどに作成の順序を組み立て説明する様子には素直に感心してしまった。

 ここまでが1回の授業の内容になるのだが、授業の終わりには次回までの課題が示される。

 課題を持ち帰るに当たり、講師が説明している最中に暇になってしまった子がその場で課題を終えてしまうなど、Playgramを利用したプログラミング教室は夢中になれる要素が多いのだろう。

 この課題についても、先に書いたようにクリア時のスコアなど競争したくなる要素が設定されているため、子供同士で「次までにこのコースを最高評価でクリアするからな」と、目標を設定しあうさまも見られた。

 これが学校の授業ならテストの点数などシビアな数字になってしまうのかもしれないが、Playgramはアプリの作りが子供が夢中になれるゲームとして完成されているため、純粋な気持ちで競い合いたくなるのだろう。

 このスコアはプログラミングを理解していなければ高い評価にならないため、高得点を競い合えば必然的に深くプログラミングを理解することになる。このように楽しんで論理的思考を育める、カリキュラムの完成度の高さには思わず舌を巻いてしまった。

親目線でもこの課題だけは「終わったの?」と心配しなくていい

 今回、同教室の見学の際に保護者のお話を聞くこともできた。数あるプログラミング教室の中でも、同教室を選んだ理由について訪ねると「今まで他のプログラミング教室にも通わせてきたが、論理的思考力や想像力を学ぶことに長けた教室を探していて、この教室に辿り着いた」という。

 実際に通わせてからの子供の様子や、今になって思う魅力については「自発的に学べるおもしろさがこちらの教室にはあるのが大きな魅力。学校や他の習い事の課題は『終わったの?』と心配で聞くことが多いが、この教室の課題だけは何より先に終わらせている」として、子供が他のゲームなどよりもPlaygramに夢中になっていることを明かした。

 「親としてもプログラミング教室に通わせて学ばせたいことを、子供が毎週の楽しみにしてくれているのはうれしい」

 正直な話をすれば、筆者の家でも簡単なプログラミング教材を用意して娘とともに挑戦したことがあるのだが、あまり長続きせず今に至っている。

 「論理的思考の育成」という抽象的な目的は、プログラミングを学んできた筆者であってもわが子に説明し、学ばせることの難しさを痛感しているだけに、今回教室の授業風景を見ることができたのは大きな収穫だ。

 抽象的で難しいと思われているプログラミング教育に対し、ゲームよりも夢中になれるほど子供が夢中になれるのはすごいことだ。今後、プログラミング教育についてわが子に学ばせたいと考えるならば、子供たちが夢中になれる仕組みがあるプログラミング教室に注目していくべきだ。

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