NECは1月8日、5G通信に対応した自動運転バスを公道で運行する実証実験を行うと発表した。車載カメラやセンサーが取得した交通状況などのデータを高速で処理・転送することで、自動運転の「レベル4」(限定された地域内で、システムが全ての運転を制御する段階)を実証するという。
実施期間は2月15日〜28日。実施場所は群馬県前橋市で、バスは約1kmの区間を自動走行する。一般の利用者も乗車可能。非常時に備えてドライバーも同乗する。前橋市は2022年に自動運転バスの社会実装を目指しており、NECが実験を通じて支援する。
実験では、車載カメラが対向車や周辺の交通状況の映像を撮影し、遠隔地にある管制室に送信する。4G・LTE通信では速度や容量に限りがあったが、5G通信を使うことで課題を解消。大容量かつ高画質の映像を送り、遠隔からの監視や安全確認を強化する。
バスだけでなく、道路側にもカメラやセンサーを設置。車載カメラでは死角になる場所や、歩行者や自動車で混雑する場所の情報を取得する。データはAIで処理した上で、管制室に転送。バスからの情報を補完し、安全確認の質を高める。
道路に備えたセンサーはバスの自動運転システムとも通信し、緊急時にバスを自動停止するなど、リアルタイムでの事故防止を可能にする。
実験には群馬大学と、モビリティシステムを開発する日本モビリティ(群馬県前橋市)、ITを活用した街づくりを手掛けるICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構(同)も参加する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR