このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが開発した「DefeXtiles」は、3Dプリンタを活用し、織物のような薄く柔軟な造形物を作成するシステムだ。人が着用できるスカートや人形用ドレス、バドミントンのシャトルコックなどの造形が可能。
3Dプリンタはフルカラーや緻密な構造など固体の造形は著しく進歩しているものの、薄く柔軟で通気性がある織物のような特性を持つものの造形はまだ実用的ではない。
MITの研究チームは、カスタマイズしていない一般的なFDM(熱溶解積層方式)の3Dプリンタを用い、柔軟で伸縮性がある織布を造形できるシステムを構築した。FDM方式とは、細長いワイヤー状の材料(フィラメント)を半液状になるまで熱し、ノズルから押し出すことで下から積み重ねて造形する手法を指す。
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