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» 2021年02月12日 10時29分 公開

オープンな雑談の場を脅かす“迷惑系Clubhouser” Clubhouseのリスクを考える(1/2 ページ)

[小寺信良,ITmedia]

 ここ1〜2週間で爆発的にユーザーを増やしているのが、音声SNSと言われる「Clubhouse」である。SNSでちょっと話題になり始めたのが1月25日ぐらいで、Facebookで招待枠のやり取りが見られた。筆者が参加したのが28日で、30日に初めてRoomを主催した。この頃からTwitterではルームの告知が目立ち始めた。

photo いまだに招待制が続くClubhouse

この記事について

この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年2月8日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから

 これまで音声チャットは、LINEやメッセンジャーのような、クローズドなメッセージングツールで行われてきたが、それをオープンでやるというところがウケている。

 従来のテキストベースのSNSは、いわば書き置きだったので時間差が伴う。そこが時間効率の面でメリットでもあったのだが、音声によるコミュニケーションは、必ず相手がリアルタイムでその場に必要という、一種の拘束性がある。それはデメリットと考えられてきたわけだが、今は相対的に「リアルにそこにいることの価値」が上がったわけである。

 Clubhouseに求められているのは、主に雑談である。一般的に会議や議論や説明は何かテーマを決めてそれに沿って話を進めていくわけだが、雑談にテーマはない。多種多様な話の中から、自分の中でさまざまなヒントを得ることができるし、何よりも相手を知り、仲良くなれるというメリットがある。雑談は、内容よりも“しゃべるという行為”が重要なのである。

 なぜこれまでのSNSでは雑談ができなかったのか。それはテキストベースのSNSでは、適当に書いたことが記録として残り、場合によっては悪意のある拡散に使われる可能性があるため、できなくなったという経緯がある。Twitterが出てきた2009年ごろにはもう戻れないのだ。

 もう一つ、Zoomなどの会議やプレゼンで雑談が発生しないのは、みんなが時間を作ってそこに集まっているわけであり、テーマが終了したらとっとと解散して自分の仕事に戻るみたいな、フォーマルなものになってしまったからだ。参加者全員が聞き耳を立てている中で、雑談は始めにくい。雑談したい人は居残ってグループに分かれるみたいな、リアルの会議や発表会のあとの状況を作る仕組みもない。

 だから、そういうことができるシステムが必要、というわけなのだ。それにすっぽりハマったのが、Clubhouseである。

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