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ギター弾き語りをAIマスタリングしてくれるiPhoneアプリは飛び立てるか?(1/3 ページ)

» 2021年02月22日 12時11分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

 こんなマニアックな音楽アプリ、ソフトバンク的にOKなんだろうか……。

 「OTO-nect」というiOSアプリを使いながら自問していた。OTO-nectは、ギターでの弾き語り動画を制作するための音楽アプリだ。ただ、動画撮影の機能はオマケ的な意味合いが強く、このアプリの特徴は、「あなたがiPhoneで録ったギターと歌をAIが最高の音楽に仕立てますよ」という機能にある。つまり、AIがミキシングとマスタリング(音を整える工程)を自動で行ってくれるのだ。

photo OTO-nectをiPadで起動させたときの画面。重ね録りモード、一発録音モードから選んで録音を開始する

 冒頭、なぜ、ソフトバンクの名前を出したのかというと、このアプリ、ソフトバンクグループの社内起業制度「ソフトバンクイノベンチャー」に採択されたプロジェクトだからだ。ただし、2月中旬時点では正式に事業化が決まったわけではない。4月下旬に実施予定の最終審査通過に向けて、パブリックβ版という位置付けでリリースされたという段階。音楽好きの社員が集まり、音に対するこだわりを持ってプログラミングされているアプリだけに、ソフトバンクという、およそ音楽とは懸け離れたビジネス第一主義な企業イメージとのギャップに戸惑ってしまったのだ。

 OTO-nectの機能を紹介しよう。端的に表すと、2トラックの多重録音機能を有した録音・録画アプリという位置付けになる。代表的な使い方をフローで表すとこんな感じ。

photo 収録画面。Apple純正のマイク付きイヤフォン「EarPods」を利用して録音するように推奨されている
  1. アコースティックギター演奏を録音・録画
  2. 先に録音したギターをApple純正のマイク付きイヤフォン「EarPods」でモニターしながら、ボーカルを録音・録画(「EarPods」シバリの理由は後述)
  3. コンプレッサー、リバーブ、ミックスバランスを設定(有料課金ユーザーのみ)
  4. AIが自動的に音のマスタリングを実施
  5. マスタリング済みの音声を付けた動画をエンコード
  6. 歌詞の入力にも対応

 OTO-nectの音楽アプリとしての最大の特徴が、(4)のAIによる自動マスタリングという部分にあるのは前述の通りだ。

photo 歌詞を入力することも可能。音楽を聴きながら該当する歌詞の部分を長押しタップすることで動画に歌詞を入れる
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